野球にはアンダースロー(サブマリン)と呼ばれる下手投げの投球フォームが存在します。
プロ野球の長い歴史を見てもアンダースロー投手として知られる投手は26人と極めて珍しく、現役でも5名しか存在しません。
当記事では、このアンダースロー投手についてご紹介します。
筆者のプロフィール
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
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【最新版】歴代/現役アンダースロー(サブマリン)投手一覧
NPBでプレーしたアンダースロー投手は26名です。
うち、現役選手が5名です。
<アンダースロー投手一覧>
選手名 | 主な所属球団 (現役は現在の球団) | プレー期間 | NPB通算成績 (2019年終了時) | |
1 | 重松通雄 | 阪急軍、等 | 1936年~1950年 | 234試合 防御率3.06 63勝82敗 |
2 | 井筒研一 | 松竹ロビンス | 1939年~1952年 | 245試合 防御率3.47 45勝73敗 |
3 | 武末悉昌 | 西鉄ライオンズ、等 | 1949年〜1955年 | 173試合 防御率3.38 49勝46敗 |
4 | 武智文雄 | 近鉄パールス | 1950年〜1962年 | 401試合 防御率2.97 100勝137敗 |
5 | 石川緑 | 中日ドラゴンズ、等 | 1954年〜1968年 | 374試合 防御率3.32 62勝60敗 |
6 | 弘瀬昌彦 | 広島カープ、等 | 1954年〜1965年 | 348試合 防御率3.32 44勝61敗 |
7 | 杉浦忠 | 南海ホークス | 1958年〜1970年 | 577試合 防御率2.39 187勝106敗 |
8 | 足立光宏 | 阪急ブレーブス | 1959年〜1980年 | 676試合 防御率2.91 187勝153敗3S |
9 | 安藤元博 | 東映フライヤーズ、等 | 1962年〜1965年 | 71試合 防御率2.93 17勝16敗 |
10 | 渡辺秀武 | 読売ジャイアンツ、等 | 1963年〜1982年 | 606試合 防御率3.35 118勝100敗8S |
11 | 山下律夫 | 大洋ホエールズ、等 | 1967年〜1982年 | 505試合 防御率3.64 103勝101敗16S |
12 | 須山成二 | 広島東洋カープ | 1967年〜1972年 | 2試合 防御率0.00 0勝0敗 |
13 | 山田久志 | 阪急ブレーブス | 1969年〜1988年 | 654試合 防御率3.18 284勝166敗43S |
14 | 会田照夫 | ヤクルトスワローズ | 1971年〜1980年 | 273試合 防御率4.34 29勝45敗3S |
15 | 堂園喜義 | 広島東洋カープ | 1975年〜1980年 | 一軍登板なし |
16 | 田中由郎 | 横浜大洋ホエールズ、等 | 1976年〜1982年 | 139試合 防御率4.54 12勝24敗5S |
17 | 仁科時成 | ロッテオリオンズ | 1977年~1988年 | 334試合 防御率4.10 110勝108敗 |
18 | 松沼博久 | 西武ライオンズ | 1979年〜1990年 | 297試合 防御率4.03 112勝94敗1S |
19 | 渡辺俊介 | 千葉ロッテマリーンズ | 2001年〜2013年 | 255試合 防御率3.65 87勝82敗1H |
20 | 会田有志 | 読売ジャイアンツ | 2006年〜2009年 | 37試合 防御率2.88 3勝2敗7H |
21 | 牧田和久 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 現役(2011年〜) | 276試合 防御率2.83 53勝49敗25S54H |
22 | 山中浩史 | 東京ヤクルトスワローズ | 現役(2013年〜) | 86試合 防御率4.23 16勝24敗2H |
23 | 加藤正志 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 2015年〜2016年 | 10試合 防御率5.65 0勝0敗 |
24 | 青柳晃洋 | 阪神タイガース | 現役(2016年〜) | 54試合 防御率3.20 18勝19敗 |
25 | 高橋礼 | 福岡ソフトバンクホークス | 現役(2018年〜) | 35試合 防御率3.28 12勝7敗 |
26 | 與座海人 | 埼玉西武ライオンズ | 現役(2018年〜) | 一軍登板なし |
また、現役5選手についても解説します。
次では、この26選手の中でも特に特徴的な山田久志、会田照夫・有志、渡辺俊介について、エピソードをご紹介します。
史上最強のアンダースロー投手は山田久志
名選手も多い歴代アンダースロー投手の中でも、最強のアンダースロー投手と呼ばれる選手が山田久志です。
654試合284勝166敗、防御率3.18の通算成績は圧倒的で、3年連続MVP(最優秀選手)はMVPの連続日本記録です。
野球殿堂入りも果たしている、阪急ブレーブスのレジェンド選手ですね。
レア中のレア・親子でアンダースローでプロ入り・会田親子
親子でプロ野球選手になるケースは、時々見られますが、会田照夫(父)、会田有志(子)はどちらも投手として、しかもアンダースロー投手としてプロ入りしています。
ただでさえ珍しいアンダースロー投手ですが、親子そろってアンダースロー投手としてプロ入りしたのは、世界的に見ても例が無いのではないでしょうか。
さらにどちらもプロ野球で勝利を挙げているのですから、見事ですよね。
世界一リリースポイントが低い男・渡辺俊介
平成を代表するアンダースロー投手といえば、渡辺俊介を挙げる方は多いでしょう。
1990年に西武・松沼が引退してから、渡辺がプロ入りする2001年まで、アンダースロー投手不在の期間が10年以上続いており、渡辺は久々のアンダースロー投手でした。
渡辺の最大の特徴は、そのリリースポイントです。
アンダースローは下手投げなので、当然リリースポイントは低くなりますが、渡辺のリリースポイントはその低さが際立っていました。
「世界一低いリリースポイント」と称されたそのリリースポイントはまさに地面すれすれで、地面とリリースポイントの間は数センチでした。
令和を代表するアンダースロー投手は誰?
昭和を代表するアンダースローが山田、平成を代表するアンダースローが渡辺とすると、令和を代表するアンダースロー投手は誰になるでしょうか。
2020年現在、現役でプレーするアンダースロー投手は5名です。
実績NO1は2020年にNPBに復帰した楽天・牧田ですが、牧田はどちらかというと平成の終わりをリードしたアンダースロー投手と言えるかもしれません。
そうなってくると、2019年に12勝を挙げて新人王を獲得したソフトバンク・高橋礼や、阪神の先発ローテーション投手として定着しつつある青柳が注目株になってきます。
どちらもアンダースローでありながら速球派投手であることが共通点です。
高橋が24歳、青柳が26歳と若く、まさに令和を代表するアンダースローへの期待がかかりますね。
ヤクルト・山中は成績は伸び悩んでおり、年齢も34歳と後がない状況になっていますが、投手陣に課題があるヤクルトだけに、貴重なアンダースロー投手として一花咲かせてもらいたいところです。
西武・與座は怪我に苦しみ、2018年にはトミー・ジョン手術を受けたこともあり、一時は育成契約となりました。
2019年には復活を果たし、支配下登録を勝ち取った與座が、今後どのような活躍を見せるのか楽しみです。
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