現在2020年1月、選手の自主トレの話題も増え始め、徐々に球春到来の気配を感じる時期になってきました。
当記事では、オリックス・バファローズ ファンである管理人がバファローズ のオフシーズンについて考察してみます。
2019年終了時点でのバファローズ の強みと弱みを整理した上で、このオフの動きを振り返ります。
個人的には80点は与えても良い、充実したオフシーズンであったと感じています。
最後までご覧いただき、楽しんでいただければ幸いです。
バファローズ の強みと弱み
チームの現状を整理しないまま、オフの動きを評価することは出来ません。
まずは2019年シーズン終了時点でのバファローズ の強みと弱みを整理してみます。
〈強み〉
・若手先発投手の充実
・球界最強クラスの打者、吉田正尚
・選手層の若返り
〈弱み〉
・吉田正尚に続く強打者の不在
・リリーフ陣の高齢化
・リーダー格の選手の不在
最優秀防御率の山本由伸や、最高勝率の山岡を筆頭に、榊原、田嶋、張、K-鈴木と楽しみな若手先発投手陣はオリックスの売りです。
また、吉田正尚はどの球団も欲しがるスーパースターと言えます。
平均年齢が若く、将来が楽しみな点もバファローズ の強みと言えるでしょう。
一方で、やはり最下位のチームということもあり、大きな弱みが存在するのも事実です。
致命的なのが吉田正尚に続く強打者が不在の打線です。
オリックスの2019年本塁打数ランキングを見てみましょう。
〈2019年本塁打数ランキング〉
順位 | 選手名 | 本塁打数 |
1 | 吉田正尚 | 29 |
2 | ステフェン・ロメロ | 18 |
3 | スティーブン・モヤ | 10 |
4 | 杉本裕太郎 | 4 |
4 | 小島脩平 | 4 |
吉田正尚と外国人選手を除くと、続く本塁打数は杉本と小島の4本になってしまうのです。
これでは打線に「怖さ」が生まれず、迫力に欠ける打線となってしまいます。
特にロメロが怪我で離脱している時期は、吉田正尚は集中してマークされますので、まともに勝負してもらえない場面も多く、得点力不足に悩まされました。
バファローズ の打力、得点力は最重要課題と言えるでしょう。
打力に次いで課題となるのが、ブルペンです。
ディクソン、増井、比嘉、海田と、ブルペンを支える実績のある投手の高齢化が進んでいます。
身体的にも精神的にも負担の大きいリリーフというポジションを、彼らに頼り切るのは危険です。
神戸や沢田、近藤らに期待したいところですが、若返りと補強が必要なポジションと言えるでしょう。
最後の課題がリーダーの不在です。
球団最年長選手の岸田が引退し、投手陣のリーダー格の投手は不在となりました。
また、2019年は福田がキャプテンを務めましたが、2020年はキャプテン制度が廃止されることが発表されています。
本来であれば中堅どころの安達やT-岡田がチームを引っ張ってくれることに期待したいですが、彼らは自分自身のことで精一杯というのが正直なところでしょう。
チームは若返り、楽しみな選手も増えているだけに、その選手たちをひとつにまとめ上げるリーダーの存在がバファローズ には欠けているのです。
オリックスのオフシーズンの動きを振り返ってみる
さて、長くなりましたがここまでは前置きです。
これらの強み、弱みを頭に入れた上で、オリックスのオフシーズンの動きを評価してみましょう。
育成路線が見えたドラフト会議
まずはドラフト会議です。
高校生左腕の宮城を1位指名、2位でも高校生大型内野手の紅林を獲得するなど、育成路線へ舵を切る意志が感じられるドラフトでした。
高校生を指名しながらも村西や勝俣のように即戦力を期待する選手も獲得出来ており、非常に上手く立ち回れたドラフトだったと評価しています。
ドラフト会議については別記事で詳細に振り返っています。
https://base-info.com/bs-draft2019
好評な記事のひとつですので、まだご覧になってない方は是非ご一読ください。
球界に衝撃を与えた外国人補強
バファローズ の2019-20年オフシーズンを語る上で外国人補強は欠かせません。
新たに獲得したジョーンズ、ロドリゲス、ヒギンスの3選手について、順番に考察します。
アダム・ジョーンズ外野手
アダム・ジョーンズの獲得は球界に衝撃を与えました。
ジョーンズといえばメジャーリーグでシルバースラッガー賞、ゴールデングラブ賞も4回獲得しています。
メジャー通算282本塁打、アメリカ代表として2017年WBC金メダルにも輝いている押しも押されぬスーパースターです。
バリバリの現役メジャーリーガーがバファローズ に加入するとあって、バファローズ ファンはお祭り騒ぎです。
ジョーンズの加入で、打線の厚みは大きく増すことになります。
吉田正尚が孤軍奮闘することもなくなり、吉田へのマークが分散することで吉田の成績が向上する相乗効果も狙えます。
得点力アップが期待できることは間違いなく、バファローズ 最大の弱点の打線強化に繋がる補強と言えますね。
そして特筆すべき点はジョーンズの人間性です。
来日する大物メジャーリーガーには、日本プロ野球を見下し、ろくに練習もしない、というケースもありますが、ジョーンズはおそらく違います。
ジョーンズは積極的にリーダーシップを取る人格者として知られており、過去には人種差別問題と戦った経歴を持ちます。
言葉の壁はあるものの、バファローズ の若手選手たちに好影響を与えることが期待出来るのではないでしょうか。
リーダー不在のバファローズ を牽引する存在となることに期待です。
アデルリン・ロドリゲス内野手
ジョーンズ獲得の陰に埋もれてしまった印象ですが、ロドリゲスの獲得もバファローズ 打線を強化する重要な補強です。
守備には若干不安がある内野手で、DHでの起用が想定されます。
2019年には3Aで75試合、打率.321、19本塁打、64打点の成績を残しています。
バファローズ 打線に足りない長打力を兼ね備えた選手で、年齢も28歳と若く、伸び代も期待できます。
モヤ、T-岡田らとDH、一塁を争うことが想定されます。
スタメン、一軍が勝ち取れるかは他外国人との兼ね合いもありますが、DHと一塁に競争が生まれるのはチームにとって間違いなくプラスとなるでしょう。
タイラー・ヒギンス投手
150キロ前後のストレートにチェンジアップが持ち味の190cmの長身リリーフ投手です。
33試合で四球が13とコントロールには定評がある一方で、被本塁打率も13と、一発病持ちの一面もありそうです。
日本でどこまでやれるかは正直未知数ではありますが、ブルペンを補強するための一手と言えるでしょう。
今オフはFA参戦なし
今オフ、バファローズ のFA戦線は非常に静かなものでした。
結果的には鈴木(ロッテ→楽天)、福田(ソフトバンク→ロッテ)、美馬(楽天→ロッテ)と3選手がFA権を行使して移籍していますが、バファローズ は獲得交渉すら行いませんでした。
鈴木や福田は打線を強化したいバファローズ にとっては欲しい選手であったはずですが、FA戦線に乗り出さなかったのは、やはり育成路線に切り替えたことの意志表示と言えるのではないでしょうか。
自由契約選手にも手は出さず
FA選手だけではなく、自由契約選手を獲得することもありませんでした。
阪神鳥谷やヤクルト大引が自由契約となっており、獲得を期待する声も上がりましたね。
特に大引はバファローズ 出身選手であり、経験値やリーダーシップも十分であることから、内野のリーダー格としての獲得も予想されました。
ただ、やはり1軍レベルではないと評価されたのでしょう。
結果的に自由契約選手からバファローズ入団はありませんでした。
最下位なのに暖冬更改
2019年のバファローズは最下位とteamとしては結果を残せなかったにもかかわらず、契約更改では年俸がアップする選手が続出しました。
吉田正尚は大台の2億円を突破、山岡も1億円に到達、山本も5000万円アップで9000万円でサインするなど、成果を残した選手はしっかりと評価されています。
また、中川にかんしては球団史上最高アップ率の300%アップで2800万円でサインをしています。
結果的に35人が昇給、減俸は12人に留まりました(現状維持は15名)
これはチームが成長過程にあることの証明と言えるのではないでしょうか。
バファローズは若返りが進んでおり、右肩上がりで成長している選手が多数存在します。
今後キャリアハイを更新することが期待される選手も多く、チームの変革期と言えるでしょう。
退団選手を振り返る
ドラフトや新外国人が新たに入団する裏では、当然退団選手も存在します。
今期はFA流出こそなかったものの、チーム本塁打数2位を誇るロメロや、同じく外国人野手のマレーロ、「エップラー効果」で盛り上げてくれた外国人リリーフのエップラーも退団しています。
ベテラン投手では岸田の引退や成瀬の戦力外、野手では宮崎や鈴木昂平も戦力外となり退団しています。
選手の退団はやはり寂しいものですが、その穴を埋める補強はなされている印象です。
新規加入選手や、残された選手たちには是非彼らの穴を埋めてほしいものです。
まとめ
バファローズの弱点が、今オフの動きでどのように埋められたのかまとめてみましょう。
外国人補強以外は新規加入は無いオフシーズンですが、それは現有戦力への期待値の表れだと思っています。
そして何より、アダム・ジョーンズのチームに与える影響が非常に大きいことが分かりますね。
吉田正尚に続く強打者の不在
こちらはジョーンズ、ロドリゲスの加入で大きく改善されるのではないでしょうか。
ロメロの退団は痛いですが、その穴を埋めて余る補強と言えるでしょう。
吉田、ジョーンズの3番4番に、モヤ、ロドリゲス、T-岡田らが5番を争う形になれば、威圧感のある強力なクリーンアップが形成できそうです。
リリーフ陣の高齢化
リリーフの補強は大卒新人の村西と、新外国人のヒギンスです。
正直、インパクトに欠けますが、これは若手への期待が大きいためでしょう。
育成選手ながらウエスタンリーグで最多セーブに輝いた漆原、2019年に支配下契約を勝ち取り、1軍でもシーズン終盤に活躍を見せた神戸など、若手投手の台頭に期待です。
若手の伸びにかけるという状況で、少々安心感には欠けますが、ファンとしては楽しみにしたい部分ですね。
リーダー格の選手の不在
こちらはジョーンズがチームに与える影響に期待です。
リーダー格の選手は不在なままですが、メジャーの超一流のオーラを肌で感じることで、それぞれの選手の意識が高まり、チーム一丸となって戦ってもらいたいですね。
おわりに
長々と語ってしまいましたが、言いたいことは来期のバファローズも楽しみだ、ということです。
「育成路線」を取っているとはいえ、ジョーンズの加入等勝ちに行く補強も見せてくれています。
若手選手が何人も覚醒し始めてもおかしくない状況ですので、来期はひょっとするとひょっとするかも・・・!?