オリックス・バファローズの2019年シーズンが終了しました。
残念ながら結果はリーグ最下位に沈みましたが、若手が台頭しシーズン終盤までAクラス争いを繰り広げるなど、来季が楽しみになるシーズンでもありました。
当記事では、このオリックス2019年シーズンを振り返り、個人的ベストゲーム5選を発表します。
完全に独断と偏見に基づくランキングですが、オフシーズンの退屈しのぎになれば幸いです。
筆者のプロフィール
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
オリックス・バファローズ2019年ベストゲーム5選
〈定義〉
「ベストゲーム」にも様々な捉え方があると思いますが、ここでは、見ていて面白かった試合をベストゲームと定義します。
面白かった試合ランキングとしてご覧ください。
【5位】エップラー効果!大逆転の虎退治
ベストゲーム第5位は
6月15日 阪神戦@京セラです。
ロメロの犠牲フライでサヨナラ勝ちを決めた試合ですね。
初回に中川のタイムリーで先制こそしますが、阪神投手陣の前に追加点が奪えない展開が続きます。
先発の山岡も粘りのピッチングで8回2失点とまとめたものの、1-2と1点ビハインドで9回を迎えました。
9回の表にマウンドに上がったのはエップラー。
しっかりと無失点で切り抜け、9回の裏に望みを繋ぎます。
そして9回の裏、ヒットとエラーでチャンスを作り、吉田正の同点タイムリーで2-2とすると、続くロメロがしっかりと犠牲フライを打ち上げ、逆転サヨナラ勝ちを決めました。
〈ベストゲーム選出理由〉
逆転サヨナラ勝ち、というだけでもちろんナイスゲームですが、前日の試合がこの試合の評価を押し上げています。
前日も同じく阪神戦、4-2とビハインドの8回に一挙4得点で逆転勝利をおさめました。
そして、この日の勝利投手もビハインドで登板したエップラーです。
阪神に二夜連続の逆転勝利、そしてその逆転を導いたエップラー、ベストゲームにふさわしい試合と言えるでしょう。
投げれば勝つ、ということで「エップラー効果」という単語も誕生しました。
【4位】山本完封!力投に応える駿太の一撃
ベストゲーム第4位は
6月28日 西武戦@メットライフです。
山本が見事な快投を見せ、完封勝利を飾った試合です。
初回、大城のタイムリーで幸先よく1点を先制します。
山本は強力西武打線を相手に素晴らしい投球を見せ、この1点を決して失いません。
西武の今井も初回に失点こそしたものの、その後は粘りのピッチング。
オリックスも追加点を奪うことが出来ず、1-0のまま9回に突入します。
試合が再び動いたのは9回の表でした。
西武が今井からヒースにスイッチ。
ここをオリックス打線が攻め込みます。
ヒットと四球でランナーを2人置いた状態で打席には駿太。
見事に初球を叩き、打った瞬間にホームランとわかる3ランで大きな援護点を奪います。
山本にとって、この援護点は充分すぎる援護点でした。
9回裏も無失点に抑え、見事に124球11奪三振の完封勝利を飾りました。
〈ベストゲーム選出理由〉
山本の完封。初回先制。駿太の一撃。
緊迫した試合展開ではありましたが、結果的には文句のつけようの無い試合となりました。
特に2019年シーズンは援護点に恵まれなかった山本。
初回に先制点こそ貰ったものの、その後は援護なく心理的には疲れる投球だったはずです。
球数が増えて疲れが出てもおかしくないところでの駿太の3点は、山本を本当に楽にした一発だと言えるでしょう。
個人的には文句なしのベストゲームです。
【3位】お祭り騒ぎの大打撃!20得点大勝
ベストゲーム第3位は
8月15日 西武戦@メットライフです。
先発全員安打、3,4,5番で4本塁打、20得点と打ちまくって勝ちを挙げた試合です。
初回こそ無得点に終わるものの、2回に先頭打者ロメロのホームランで先制すると、オリックス打線に火がつきます。
ヒットを重ねて2回だけで一挙7得点。
3回にもロメロの満塁ホームランが飛び出すなど5得点。
その後も吉田、モヤのホームランや先発全員安打など、山賊打線こと強力西武打線のお株を奪う猛攻で大勝しました。
〈ベストゲーム選出理由〉
管理人もこの日、現地観戦をしていましたが、やはり打ちまくると楽しい。
ベストゲームを面白かった試合、と定義しているこの記事においては、文句なしの入選です。
常にチャンステーマが流れている状態で、退屈する暇がありませんでした。
また、先発野手で唯一ヒットが出ていなかった駿太に9回に打席を繋ぎ、タイムリーを打てたのも盛り上がりましたね。
最初から最後まで大いに盛り上がったベストゲームと言えるでしょう。
【2位】Aクラスへ!私に当てて安達
ベストゲーム第2位は
8月31日 ロッテ戦@ZOZOマリンです。
Aクラスの希望が見えてきた中、安達の劇的なホームランが飛び出した試合ですね。
この日の先発はアルバース。
初回からランナーを背負う投球が続きますが、ランナーを出しながらも要所を締める粘りのピッチングを見せます。
5回には宗のタイムリーが飛び出し、先制。
オリックスはその後も6,7回とチャンスを作るものの得点出来ず、リードしているものの重苦しい雰囲気が漂い始めます。
そんな雰囲気の中、7回の裏、ロッテ・田村のセーフティスクイズで同点に追いつかれてしまいます。
8回のオリックスの攻撃も無得点、ロッテに流れが傾いている中なので延長戦にはしたくないところです。
しかし9回の攻撃もロッテの守護神・益田の前に簡単にツーアウトを奪われてしまいます。
嫌な空気が流れる中、打席には安達。
2球目の高めの球を見事に叩き、レフトスタンド中段のオリックスファンの元に打球をぶち込みました。
嫌な空気を一掃する見事な勝ち越しソロホームラン。
9回裏にはしっかりとディクソンが締め、見事白星を勝ち取りました。
〈ベストゲーム選出理由〉
安達のホームランが飛び出したタイミングが見事でした。
9回の関東の攻撃と言えば、応援団の「50番さん」のコールが名物となっています。
9回ツーアウトの安達の打席、ここでも名物の「私に当てて」コールがレフトスタンドから叫ばれます。
「私に当てて!安達!」
ここまで安達の2019年ホームランは1本。
はっきり言ってホームラン打者ではありません。
なかばヤケクソに叫んでいたファンも多かったのではないでしょうか。
そんな「私に当てて」コールの中、見事にホームラン、それもオリックスファンの待つレフトスタンド中段に放り込んだのはあっぱれと言うしかないでしょう。
この試合でオリックスは最下位から5位に浮上。
Aクラスを期待させた戦いぶりでした。
【1位】丑王解禁!伝説に捧げる平成最後の勝利
栄えあるベストゲーム第1位は
4月29日 西武戦@京セラです。
オリックス・バファローズのレジェンド仰木監督の誕生日であり、仰木デーとして行われた、オリックス平成最後の試合です。
この日は試合開始前からオリックスにとって特別な試合でした。
オリックス・バファローズのレジェンド、仰木彬監督の誕生日、仰木デーとして、選手・監督共に仰木監督の背番号72を背負って試合に臨みます。
この日に合わせて、オリックスの新チャンステーマ、「丑王」フルバージョンの解禁も発表されていました。
さらにこの日は平成最後の公式戦。
絶対に負けられないと言っても過言ではないでしょう。
そんな重要な試合ですが、出だしは最悪です。
西武・山川にツーランを浴び、初回から2失点。
それでも負けられない一戦、応援団の声援には熱がこもります。
失点した直後の初回、先頭打者の福田の打席でいきなり新チャンステーマ丑王を発動。
この試合が特別な一戦だとういうことが一層感じられました。
4回には中川のタイムリーで同点としますが、直後の5回には1点を奪われ、またもリードを許します。
それでも5回裏には福田のタイムリーで再度追いつき、シーソーゲームの様相を見せます。
最大のピンチは8回の表、澤田がマウンドに上がりますが金子と秋山にヒットを浴びて1アウト1,3塁のピンチを招いてしまいます。
しかし澤田も踏ん張ります。
山川を内野フライ、森を敬遠気味に歩かせると、続く外崎を見事に三振に斬って取ります。
徐々に流れがオリックスに傾いた8回の裏、ランナーを2塁に置いた場面でまたも丑王が発動されます。
佐野がフライに倒れた後、打席には吉田正尚。
丑王が響きわたる中の初球でした。
豪快なスイングで放たれた打球はそのままライトスタンドへ。
見事に勝ち越しに成功します。
9回を増井が締め、仰木デーという大切な平成最後の試合をモノにしました。
〈ベストゲーム選出理由〉
シーソーゲームを吉田の一発でモノにしたこの試合が素晴らしい試合であることは間違いないですが、試合展開だけなら2位~5位の試合が上かもしれません。
しかし、仰木デー、平成最後、丑王解禁日という大切な日に勝利でしたこと、また、解禁された丑王が流れる中で吉田がホームランを放ったことなとを高く評価し、堂々の一位にランクインさせています。
惜しくも入選を逃した好ゲーム
悩みに悩んで落選した試合も、簡単にご紹介します。
6/23 広島戦@マツダ (9-3)
両軍無得点のまま延長戦に突入しますが、延長10回に打線爆発。
一気に9得点し、9-3で勝利(10回裏に3点取られているのもご愛嬌)。
広島に3タテを決めました。
7/16 楽天戦@京セラ(1-0)
初回の1点を守りきり、山岡とディクソンで完封勝利を飾りました。この日のオリックスのヒットは先頭打者の福田の内野安打のみ。
山岡が則本に投げ勝ったナイスゲームです。
8/21 ソフトバンク戦@ヤフオク(14-4)
初回に3失点するなど、苦しい出だしとなりますが、じわじわと追い上げ、6回以降で11得点を挙げる大逆転勝利を見せました。
5回以降、中継ぎ陣も無失点投球を見せており、8月の強いオリックスを象徴する試合です。
9/29 ソフトバンク戦@京セラ(5-1)
この試合は山本の規定投球回達成がかかった試合であり、岸田の引退登板でもあります。
この重要な試合で、素晴らしい出だしを見せます。
満塁から安達の内野安打、小田の走者一掃スリーベースで初回に4得点。
山本もしっかりと6回を1失点にまとめ規定投球回達成。防御率1点台での最優秀防御率を確実なものとします。
9回には岸田がラストピッチング。
オリックスファンにとって忘れられない試合となりました。
まとめ
あらためて振り返ると、最下位とはいえ好ゲームであふれていましたね。
ランキングはあくまでも個人的なもので、現地観戦していた試合を贔屓目に評価してしまった気もします(笑)
是非、オリックスファンの方はこの記事の引用リツイートでみなさんのベストゲームも教えてください。
他球団ファンにオリックスの魅力をアピールしましょう!
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