高校野球の入場券には、「連券(通し券)」と呼ばれるチケットが用意されています。
大会の全日程分のチケットをまとめ買いできますので、じっくり観戦したい方にとっては魅力的なチケットです。
当記事では、高校野球(甲子園)の連券の仕組みについて解説します。
筆者のプロフィール
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
連券とは?
高校野球は連日試合が組まれ、夏には16日間、春には11日間の大会日程が組まれます。
連券とは、この全日程分をまとめ買いできる仕組みです。
前売り券として発売され、抽選販売されます(申し込み期間は例年6月頃)
夏は16日分、春は11日分のチケットが購入可能です。
夏の大会の連券について
夏の大会では、中央特別指定席、1塁特別自由席、3塁特別自由席の連券が用意されています。
16日分のチケットをまとめ買いすることになります。
席 種 | 料 金 |
中央特別指定席 | 44,800円 |
1塁特別自由席 | 32,000円 |
3塁特別自由席 | 32,000円 |
※第100回大会(2018年)の情報です。
中央特別指定席は「指定席」ですので、16日間同じ座席で観戦することになりますが、ピンポイントで座席指定をすることはできません。
以下の座席表の10のエリアから希望のエリアを選択し、そのエリアの中からランダムに座席が割り当てられます。
(日本高等学校野球連盟ホームページより)
1塁特別自由席、3塁特別自由席は「自由席」ですので、好きな座席に着席可能です。
春の選抜の連券について
春の選抜では、中央特別自由席、1塁特別自由席、3塁特別自由席の連券が用意されています。
大会期間は11日間なので、夏の大会よりも料金設定は低いです。
席種 | 料金 |
中央特別自由席 | 25,000円 |
1塁特別自由席 | 18,000円 |
3塁特別自由席 | 18,000円 |
※第91回大会(2019年)の情報です。
春の大会は全席自由席なので、好きな座席に着席可能です。
毎日入場必須というわけでもない?共通券とは?
連券というと、毎日観戦をする人が買うもの、というイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
連券には「共通券」という概念があります。
例えば、第100回の夏の大会では、「第1日~第3日」が3枚、「第4日~第7日」が4枚、共通券として用意されています。
この共通券の使用方法は人それぞれです。
「第1日~第3日」の共通券を第1日に1枚、第2日に1枚、第3日に1枚使用すれば、3日間毎日観戦することが可能です。(世間一般でイメージする連券の使い方はこのイメージだと思います)
一方で、「第1日~第3日」の共通券を第1日に3枚、3人で使用することも認められています。この場合は第2日目、第3日目に連券は残らないので、連券での観戦は出来ませんが、第1日は3人が前売り券で観戦できることになるのです。
・夏の中央特別指定席、春の中央特別自由席には共通券はありません
・大会の後半(夏は8日目以降、春は9日目以降)は共通券はありません
⇒これらは単日券となりますので、毎日観戦することになります。
連券購入の際の注意事項
連券は特殊な入場券ですので、いつくかの注意事項があります。
連券は払い戻しは不可
連券による前売り券は日付指定券ではなく、あくまでも「毎日観戦」のチケットなので、仮に大会日程が雨で延期になったとしても、チケットの払い戻しはありません。
例えば、夏の大会最終日、大会第16日目の試合が雨で延期になったとしても、チケット代金が払い戻されることはなく、その翌日の延期後の試合を観戦することになります。
転売は禁止
連券は全日程のチケットを購入することになりますが、中には観戦に行くことが出来ない日が出てくることもあるでしょう。
しかしながら、営利目的の転売は固く禁じられていますので、転売はやめましょう。
観に行けないチケットが出てしまった場合は、知人に譲るか、適正な価格で譲るようにしましょう。
一旦退場しての再入場は出来ません
甲子園球場では、連券に限らず一旦退出してからの再入場は出来ません。
やむを得ない理由で一旦退場して再入場する場合、入り口のスタッフに相談することで認めてもらえる場合があるようです。
どのような場合に認められるのかの指針は示されてはいませんが、事情によっては相談してみましょう。