当記事では、プロ野球がセ・パ2リーグ制となった1950年以降の試合数をご紹介し、このような疑問を解決します。
筆者のプロフィール
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
プロ野球試合数の推移
まずは2リーグ制導入以降の試合数の推移をグラフでご覧ください。
当初はリーグの運営方法を模索していたためか、年間試合数も大きく変動していますが、1960年台あたりから徐々に試合数は安定しています。
1970年代~1996年まではセ・パ両リーグともに130試合でした。
その後徐々に増加傾向をたどり、交流戦の試合数見直しに伴い多少の調整を実施しながら、2019年シーズンは143試合となっています。
・試合数は1球団の予定試合数を表しています
・交流戦の試合数を含んでいます
・クライマックスシリーズやプレーオフ、日本シリーズ等のポストシーズンの試合数は含んでいません。
・1973年~1982年のパ・リーグは前期/後期制(各65試合)であったため、合計130試合をシーズン試合数として計算しています。
各年度の試合数詳細は以下の表のとおりです。
年度 | セ・リーグ | パ・リーグ |
1950 | 140 | 120 |
1951 | 120 | 120 |
1952 | 120 | 108 |
1953 | 130 | 120 |
1954 | 130 | 140 |
1955 | 130 | 140 |
1956 | 130 | 154 |
1957 | 130 | 132 |
1958 | 130 | 130 |
1959 | 130 | 130 |
1960 | 130 | 130 |
1961 | 130 | 140 |
1962 | 130 | 130 |
1963 | 140 | 150 |
1964 | 140 | 150 |
1965 | 140 | 140 |
1966 | 130 | 130 |
1967 | 130 | 130 |
1968 | 130 | 130 |
1969 | 130 | 130 |
1970 | 130 | 130 |
1971 | 130 | 130 |
1972 | 130 | 130 |
1973 | 130 | 130※ |
1974 | 130 | 130※ |
1975 | 130 | 130※ |
1976 | 130 | 130※ |
1977 | 130 | 130※ |
1978 | 130 | 130※ |
1979 | 130 | 130※ |
1980 | 130 | 130※ |
1981 | 130 | 130※ |
1982 | 130 | 130※ |
1983 | 130 | 130 |
1984 | 130 | 130 |
1985 | 130 | 130 |
1986 | 130 | 130 |
1987 | 130 | 130 |
1988 | 130 | 130 |
1989 | 130 | 130 |
1990 | 130 | 130 |
1991 | 130 | 130 |
1992 | 130 | 130 |
1993 | 130 | 130 |
1994 | 130 | 130 |
1995 | 130 | 130 |
1996 | 130 | 130 |
1997 | 135 | 135 |
1998 | 135 | 135 |
1999 | 135 | 135 |
2000 | 135 | 135 |
2001 | 140 | 140 |
2002 | 140 | 140 |
2003 | 140 | 140 |
2004 | 140 | 135 |
2005 | 146 | 146 |
2006 | 146 | 146 |
2007 | 144 | 144 |
2008 | 144 | 144 |
2009 | 144 | 144 |
2010 | 144 | 144 |
2011 | 144 | 144 |
2012 | 144 | 144 |
2013 | 144 | 144 |
2014 | 144 | 144 |
2015 | 143 | 143 |
2016 | 143 | 143 |
2017 | 143 | 143 |
2018 | 143 | 143 |
2019 | 143 | 143 |
2020 | 143 | 143 |
最多試合数は154試合、最少試合数は108試合
上記の表のとおり、最多試合数は1956年パ・リーグの154試合、最少試合数は1972年パ・リーグの108試合となっています。
ただし、1952年のパ・リーグは特殊な方式で順位を決定しており、実質120試合であったと言うこともできます。
1952年のパ・リーグ運用
予選リーグ(108試合)+決勝リーグ(12試合)の合計120試合で順位を決定しています。
当時のパ・リーグは7球団制でしたが、7球団での総当たり戦(予選リーグ)を計108試合、その後、上位4球団での総当り(決勝リーグ)12試合を開催しています。
予選リーグと決勝リーグの結果を合計した勝率を比較し、最終的なリーグ優勝を決定しています。
ダブルヘッダー(1日2試合)の事例
かつては交通網も現代ほど整備されていなかったことから、選手の移動にも時間がかかり、過密な試合日程が組まれていました。
そのため、1980年代頃までは頻繁にダブルヘッダー(1日に2試合)が組まれていました。
ダブルヘッダーは選手への負担が大きいことから、1980年代には現象の傾向を見せ、セ・パ両リーグともに1998年以降はダブルヘッダーの開催実績はありません。
2020年シーズンの動向
2020年シーズンでは、当初は2019年シーズン同様に143試合の日程が組まれていました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の流行による開幕延期を受け、状況は一変しています。
開幕は最速で6月19日(5月時点の見込み)であり、交流戦・オールスターゲームは中止が発表されています。
開幕の遅れに伴い過密日程が想定され、試合数も120試合程度への削減が検討されている状況です。
シーズン試合数が120試合となると、過去最少に匹敵するほどの試合数です。
それでもなお、過密日程となることから、ダブルヘッダーが検討されているとの報道も出ています。
ダブルヘッダーとなると22年ぶりの出来事となりますね。