高校野球

【高校野球の球数制限 】500球ルールに意味はある?過去の最多投球投手は?

2020年のセンバツから、高校野球に球数制限が導入されることが決定されました。

当記事では、この球数制限のルールを解説します。

過去の投球数ランキング、著名人の球数制限へのコメントを紹介しながら、このルールの実効性についても検証しますのでご覧ください。

 

筆者のプロフィール

野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。

 

2020年センバツから球数制限が導入

2020年のセンバツ(選抜高等学校野球大会)から、投手の球数制限が導入されることが決定されました。

投手の肩への負担を軽減するための措置であり、地方大会も含めて以下のルール導入が決定されています。

<2020年高校野球のルール改正>
・1週間500球以上の投球禁止
・3連戦の回避(完全休養日の設定)

世間で物議を醸しているのが、1週間500球以上の投球を禁止する球数制限ルールです。

9回を完投しても100球~150球程度でおさまるのが一般的であるため、この1週間500球でどこまで投手の投球を制限することが出来るのか?という疑問が投げかけられています。

それでは、最も白熱する夏の甲子園では、どれほどの投手がこの球数制限に引っかかるのか検証してみましょう。

過去の対象者は?夏の甲子園球数ランキング

夏の甲子園の投球数ランキングは以下の通りです。

決勝戦まで進んだ投手が当然球数は多くなる傾向にあるため、優勝投手、準優勝投手がずらりと並びます。

 

順位選手名高校年度球数
1斎藤佑樹早稲田実業2006年948球
2吉田輝星金足農業2018年878球
3川口知哉平安1997年820球
4今井重太郎三重2014年814球
5島袋洋奨興南2010年783球
6大野倫沖縄水産1991年773球
7松坂大輔横浜1998年767球
8吉永健太朗日大三2011年766球
9福岡真一郎樟南1994年742球
10吉岡基紀京都成章1998年713球

 

投球数ランキング1位は2006年、早稲田実業・斎藤佑樹です。
駒大苫小牧・田中将大との決勝戦はあまりにも有名ですね。
その投球数は948球にも上り、壮絶な夏を印象付けます。

また、2位には記憶に新しい2018年、金足農業・吉田輝星がつけています。
878球を投げ切り、甲子園のスターとして一躍注目を浴びました。

 

この甲子園のスターたちの1週間あたりの投球数はどのようになるのでしょうか。

1週間の投球数で見ると、
斎藤佑樹が689球、吉田輝星が592球となっており、2020年から導入される1週間500球ルールに引っかかることになります。

 

仮に当時、この1週間500球ルールが存在していたとすると、早稲田実業VS駒大苫小牧の決勝引き分け再試合や、吉田輝星の躍進など、甲子園の数々の名場面は誕生していなかったのかもしれません。

 

著名人の球数制限への反応

この1週間500球ルールには、数々の反応が寄せられています。

メジャーリーガーのダルビッシュ有は、Twitterで
「1週間に2試合しかない場合1試合250球投げられるし、3日連続試合ってそもそもあるの?子供達の体を守ること、一人でも多くの楽しい思い出を作ることを軸に改革を考えてみないか?ってシバターが言いそう」
と発言しています。

シバターとは・・ダルビッシュお気に入りのプロレスラー兼ユーチューバー。
ダルビッシュはツイッターで「全部『シバターが言いそう』って最後につければ波風立てずに自己主張できます」と発言している。

また、元プロ野球選手の桑田真澄氏も、イベント後のインタビューで、
「今回の決断は本当に小さな一歩。小手先の改革で、やらない方がいいんじゃないかと思うくらい。素晴らしい人たちが集まって出した結論だとは到底思えない」
と批判しています。

 

ダルビッシュも桑田も、批判的な発言ですが、その意図は球数制限に反対するものではなく、もっと厳しい制限が必要といったトーンに見えますね。

500球ルールが与える影響は?

1週間500球の制限で、どこまで選手の健康面を守ることが出来るのか、にはやはり疑問が残ります。

ダルビッシュや桑田が疑問を呈したように、もっと厳しい制限も必要になるのかもしれません。

 

なお、1週間500球ルールの導入でまず想定される変化が、甲子園のスーパースターが誕生しにくくなる、ということです。

平成の怪物・松坂大輔、早稲田実業・斎藤佑樹、金足農業・吉田輝星、などなど、甲子園を沸かせるスーパースターはひとりで熱戦を投げぬき、チームを勝利に導く姿で人々を魅了してきました。

1週間で500球ルールが導入されると、ひとりのエースが投げ切る姿は減少することが想定されます。(少なくとも、松坂、斎藤、吉田はルールに引っかかり途中降板する必要が出てきます)

プロ野球から先発完投型投手が減ったように、高校野球でも投手の分業制が進むことが想定されますね。

 

また、球数制限が進めば進むほど、強豪校有利になると言われています。

多数の投手を用意できる強豪校の方が球数制限のルールの中では戦略が組みやすいのです。

一人のエースがチームをけん引し、強豪校相手に立ち向かう姿も減ってしまうのかもしれません。

 

球数制限は選手の健康面を考えれば当然厳しく制限するに越したことはありませんが、大会の面白さ、一人のエースに頼らざるを得ない高校の状況を踏まえると、調整するのが難しい問題と言えますね。

高校野球の球数制限まとめ

ここまでの内容を箇条書きでまとめます。

・2020年高校野球のルール改正:1週間500球以上の投球禁止、3連戦の回避(完全休養日の設定)
・投球数ランキング1位は2006年、早稲田実業・斎藤佑樹で948球
・ダルビッシュ、桑田ら著名人は球数制限に「不十分」と評価
・1週間500球ルールでスター誕生が難しくなる

 

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