平成の時代が令和に移り、夏の甲子園も101回を迎えています。
当記事では、日本高等学校野球連盟ホームページで公開されている出場校一覧をもとに、平成の強豪校を一覧でご紹介します。
過去全期間ではなく、30回にわたる平成の大会を分析することで、現代の強豪校を明らかにすることを目的としています。
当記事では、夏の大会(全国高等学校野球選手権大会)のみを対象としています。春の大会(選抜高等学校野球大会)は対象外ですのでご了承ください。
筆者のプロフィール
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
平成歴代優勝回数ランキング
まずは平成30回の大会で複数回優勝している高校をピックアップしてみます。
複数優勝を飾っている高校は、高校野球ファンであれば誰もが知っているこの5校です。
優勝校 | 優勝回数 | 優勝年 |
大阪桐蔭 | 5 | 平成3年,20年,24年,26年,30年 |
駒大苫小牧 | 2 | 平成16年,17年 |
智辯和歌山 | 2 | 平成9年,12年 |
帝京 | 2 | 平成元年,平成7年 |
日大三 | 2 | 平成13年,23年 |
圧倒的な実力を見せつけたのが大阪桐蔭高校です。
スター軍団として圧倒的な実力で春夏連覇を達成し、中日・根尾、ロッテ・藤原、日ハム・柿木と3名のプロ選手を生み出した30年の優勝は記憶に新しいですね。
西武・浅村を輩出した20年の優勝、阪神・藤浪、西武・森を擁して春夏連覇を達成した24年など、全30回の平成の大会のうち、6分の1に相当する5回の優勝を飾っています。
大阪桐蔭に続くのが駒大苫小牧、智辯和歌山、帝京、日大三です。
いずれも2度の優勝を飾っており、特に駒大苫小牧は16年、17年に連覇を達成しています。
駒大苫小牧の平成17年といえば、ヤンキース・田中将大が2年生で在籍していた年にあたります。史上初の3連覇をかけた18年は早稲田実業の前に準優勝に終わっています(あの有名な斎藤佑樹VS田中将大の引き分け再試合です)
平成歴代出場回数ランキング
歴代出場回数をピックアップしてみましょう。
夏の甲子園に出場するためには、そもそも熾烈な地区予選を勝ち抜く必要があります。
安定して甲子園に出場できている高校は、紛れもなく強豪校と呼ぶことができるでしょう。
以下、平成30回の大会での出場回数上位10校(同率のため11校)です。
出場校 | 地域 | 出場回数 |
智辯和歌山 | 和歌山 | 22 |
仙台育英 | 宮城 | 19 |
明徳義塾 | 高知 | 18 |
聖光学院 | 福島 | 15 |
常総学院 | 茨城 | 14 |
天理 | 奈良 | 14 |
横浜 | 神奈川 | 14 |
福井商 | 福井 | 13 |
近江 | 滋賀 | 12 |
星稜 | 石川 | 12 |
智辯学園 | 奈良 | 12 |
全国制覇も2度達成している智辯和歌山が圧倒的な出場回数を誇ります。
30回の大会のうち、3分の2以上の大会で甲子園に出場していますので、和歌山は智辯和歌山1強と呼んでも過言ではないでしょう。
仙台育英や明徳義塾、聖光学院も半分以上の出場を誇ります。これら3校を筆頭に、出場回トップ10は高校野球ファンなら知らない人はいない強豪校と言えますね。
また、天理高校、智辯学園がランクインしている奈良県の状況は要注目です。
天理高校が14回、智辯学園が12回の甲子園出場なので、ほとんどの大会(30回中26回)で奈良県の代表は天理か智辯学園か、という状況なのです。
和歌山の智辯和歌山1強状態以上に顕著な2強状態と言えます。
なお、ここまで出場回数をご紹介しましたが、厳密には出場回数を比較するのはフェアではありません。
地区予選には激戦区と呼ばれる地区が存在し、激戦区を勝ち抜くのはさらに至難の業です。
大阪や神奈川が激戦区の筆頭として挙げられることが多いですね。
全国制覇を5回達成している大阪桐蔭が甲子園出場は10回という点からも、いかに激戦区を勝ち抜くのが難しいかが分かるでしょう。
大阪はそもそも参加校が多いだけでなく、履正社やPL学園等、強豪校が渦巻いており、大阪大会を勝ち抜くのは甲子園を勝ち抜く以上に難しい、と言っても過言ではないかもしれません。
このような激戦区、神奈川県(東海大相模、桐光等強豪校多数)から14回の出場を達成している横浜高校の実力は本物でしょう。
横浜高校は平成10年に優勝も達成しており、名門高校の名にふさわしい成績と言えます。
各都道府県別 強豪校一覧(最多出場高校一覧)
最後に、各都道府県毎の最多出場高校と2番手高校をまとめます。
最多出場高校や2番手高校の出場回数が大きければ、その地区は実力に偏りがある地域と考えられます。(和歌山の智辯和歌山1強、奈良の天理、智辯学園2強状態など)
一方、最多出場高校の出場回数が小さい場合、その地域は実力が均衡した地域と考えられ、どの高校にも出場のチャンスがある、もしくは強豪校が多い地区と言えます(山梨、静岡、福岡など)
あなたの気になる地区はどうでしょうか。ご覧ください。
出場地区 | 最多出場 | 2番手 | ||
高校名 | 出場回数 | 高校名 | 出場回数 | |
北北海道 | 旭川大 | 6 | 旭川工 | 5 |
南北海道 | 北海 | 10 | 駒大苫小牧 | 6 |
青森 | 青森山田 | 11 | 光星学院 | 6 |
岩手 | 盛岡大付 | 9 | 花巻東 | 8 |
秋田 | 秋田商 | 8 | 金足農 | 5 |
山形 | 酒田南 | 10 | 日大山形 | 9 |
宮城 | 仙台育英 | 19 | 東北 | 7 |
福島 | 聖光学院 | 15 | 日大東北 | 6 |
茨城 | 常総学院 | 14 | 水戸商 | 4 |
栃木 | 作新学院 | 9 | 佐野日大 | 6 |
群馬 | 桐生第一 | 9 | 前橋育英 | 4 |
埼玉 | 浦和学院 | 11 | 花咲徳栄 | 6 |
千葉 | 木更津総合 | 7 | 市船橋 | 5 |
東東京 | 帝京 | 10 | 関東一 | 6 |
西東京 | 日大三 | 10 | 創価 | 4 |
神奈川 | 横浜 | 14 | 桐蔭学園, 桐光学園 | 4 |
新潟 | 日本文理 | 9 | 新潟明訓 | 7 |
長野 | 松商学園 | 10 | 佐久長聖 | 7 |
山梨 | 東海大甲府 | 6 | 甲府工 | 5 |
静岡 | 常葉大菊川 | 6 | 静岡 | 5 |
愛知 | 愛工大名電 | 9 | 東邦 | 8 |
岐阜 | 県岐阜商 | 10 | 大垣日大 | 5 |
三重 | 三重, 海星 | 6 | (同率1位) | – |
富山 | 富山商 | 10 | 高岡商 | 7 |
石川 | 星稜 | 12 | 金沢 | 8 |
福井 | 福井商 | 13 | 敦賀気比 | 8 |
滋賀 | 近江 | 12 | 八幡商 | 6 |
京都 | 龍谷大平安 | 9 | 京都外大西 | 4 |
大阪 | 大阪桐蔭 | 10 | PL学園 | 7 |
兵庫 | 報徳学園 | 8 | 東洋大姫路 | 4 |
奈良 | 天理 | 14 | 智辯学園 | 12 |
和歌山 | 智辯和歌山 | 22 | 市和歌山 | 2 |
岡山 | 倉敷商 | 7 | 関西 | 6 |
広島 | 広陵 | 8 | 如水館 | 7 |
鳥取 | 八頭 | 7 | 鳥取城北 | 5 |
島根 | 開星 | 9 | 江の川 | 4 |
山口 | 宇部商 | 6 | 岩国 | 5 |
香川 | 尽誠学園 | 9 | 香川西 | 4 |
徳島 | 徳島商 | 9 | 鳴門 | 8 |
愛媛 | 宇和島東 | 7 | 今治西 | 6 |
高知 | 明徳義塾 | 18 | 高知商 | 6 |
福岡 | 九州国際大付, 柳川 | 5 | (同率1位) | – |
佐賀 | 佐賀商 | 7 | 佐賀学園 | 5 |
長崎 | 長崎日大 | 9 | 海星 | 5 |
熊本 | 熊本工 | 10 | 九州学院 | 5 |
大分 | 明豊, 柳ヶ浦 | 6 | (同率1位) | – |
宮崎 | 日南学園 | 9 | 延岡学園 | 6 |
鹿児島 | 鹿児島実 | 10 | 樟南 | 10 |
沖縄 | 沖縄尚学, 興南 | 6 | (同率1位) | – |