プロ野球の応援といえば、ジェット風船をイメージする方も多いのではないでしょうか。
皆で一斉に飛ばす、こういった風船ですね。
プロ野球の応援文化ともいえる風景ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で一時は全ての球場で禁止となってしまいました。
2023年シーズンからは一部の球団が解禁しはじめており、当記事ではこのようなジェット風船事情についてまとめます。
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
【禁止?解禁?】プロ野球12球団のジェット風船の制限
各球団のジェット風船に対する方針は以下の表のとおりです。
コロナ前からジェット風船を禁止している球場もあり、このような球場は今後のジェット風船の解禁は難しいでしょう。
球団 | 現在の方針 | コロナ前の方針 | 備考 |
---|---|---|---|
阪神 | 禁止 | 黄色や白等の風船を飛ばす | |
広島 | 解禁※ | 赤の風船を飛ばす | |
DeNA | 解禁※ | 青の風船を飛ばす | |
巨人 | 禁止 | 橙等の風船を飛ばす ※地方、ビジター球場 | 東京ドームは以前からジェット風船は禁止 |
ヤクルト | 禁止 | 飛ばさない | 傘を持った応援が主流であり、神宮は風船禁止 |
中日 | 禁止 | 青等の風船を飛ばす ※地方、ビジター球場 | 名古屋ドームは以前からジェット風船は禁止 |
オリックス | 禁止 | 青や金の風船を飛ばす | |
ロッテ | 禁止 | 白の風船を飛ばす | |
ソフトバンク | 解禁※ | 黄や白の風船を飛ばす | |
楽天 | 解禁※ | 赤や白の風船を飛ばす | |
西武 | 解禁※ | 青の風船を飛ばす | |
日本ハム | 禁止 | 青や白の風船を飛ばす |
※ハンドポンプで膨らませる専用風船のみ解禁されています。市販の風船など、口で膨らませるタイプは引き続き禁止です。
【球団別】ジェット風船の制限方針を解説
各球団のジェット風船に関する状況を、球団別に解説します。
コロナ前の特徴と、現在の状況をあわせて解説しますので参考になれば嬉しいです。
阪神タイガース
阪神タイガースといえば古くからジェット風船の使用が定着している球団で、7回のジェット風船は甲子園の名物でもありました。
- 7回と勝利の瞬間にジェット風船を飛ばす
- 風船の色は統一されていないが、黄色や白が主流
勝利に備えて風船を膨らませていたファンが、同点に追いつかれた途端に我慢できずに風船を飛ばす風景もある種の風物詩でした(笑)
甲子園にジェット風船の解禁を望む声も多いですが、2024年シーズンでは未解禁です。
広島東洋カープ
赤一色の風船を飛ばしていたカープは、実はジェット風船のはじまりの球団とも言われます。
2023年6月に「スカイジェットバルーン」と名付けられた商品が販売され、ジェット風船解禁となりました。
なお、MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島は近隣に線路が走っていることから、以前から飛距離が短い専用の風船のみ使用可能でした。
横浜DeNAベイスターズ
青一色の風船を飛ばしていたDeNAは、2024年シーズンからジェット風船を復活させました。
「スタージェット」と名付けられた風船が球団グッズとして発売されています。
なお、横浜スタジアムは近隣に線路が走っていることから、以前から飛距離が短い専用の風船のみ使用可能でした。
読売ジャイアンツ
巨人はどちらかといえばもともと、ジェット風船には消極的な球団でした。
ビジター球場や地方球場ではオレンジのジェット風船を飛ばすことはありましたが、コロナ前から東京ドームではジェット風船が禁止されています。
現在も巨人の応援ではジェット風船は使われていません。
参考:東京ドーム観戦ルール
東京ヤクルトスワローズ
神宮球場がジェット風船を以前から禁止していたということもあり、ヤクルトにはジェット風船の文化がありません。
7回には東京音頭に合わせて傘をゆらすのがヤクルトの応援の特徴です。
引き続き神宮球場はジェット風船を禁止していますので、解禁される可能性は低いでしょう。
参考:神宮球場観戦ルール
中日ドラゴンズ
中日もジェット風船には消極的な球団です。
ビジター球場や地方球場では青のジェット風船を飛ばすことはありましたが、コロナ前からナゴヤドームではジェット風船が禁止されています。
現在も中日の応援ではジェット風船は使われていません。
参考:中日ドラゴンズ公式サイト
オリックス・バファローズ
7回には主に青(ネイビー)、勝利時に金の風船を飛ばすのがオリックスの応援スタイルでした。(2色入りのジェット風船が売られていました)
2024年シーズン時点では、残念ながらジェット風船は解禁されていません。
千葉ロッテマリーンズ
かつては白のジェット風船を飛ばしていたロッテですが、まだジェット風船は解禁されていません。
2023年4月に指笛が解禁されるなど、少しずつ制限は緩和されていますが、ジェット風船については明確に禁止と明記されています。
福岡ソフトバンクホークス
ソフトバンクは7回に黄色のジェット風船、勝利時に白のジェット風船を飛ばしていました。
2023年8月から、ついにこの応援スタイルが復活しています。
- ポンプ付のイエロージェット、白星ジェットを発売
- 7回にはイエロージェット、勝利時に白星ジェットを飛ばす
- イエロージェット、白星ジェット以外の風船は使用禁止
詳細:ホークス公式サイト
なお、PayPayドームは天井に引っかかることを防止するため、以前から天井まで飛ばない専用の風船のみ使用可能でした。
東北楽天ゴールデンイーグルス
球団創設20周年に合わせて、楽天は2024年シーズンからジェット風船を復活させました。
球団カラーのジェット風船とポンプがセットで販売されています。
埼玉西武ライオンズ
青の風船を飛ばしていた西武も、2024年シーズンからジェット風船を解禁です。
北海道日本ハムファイターズ
7回に青、勝利時に白の風船を飛ばしていた日本ハムですが、現在はジェット風船は禁止されています。
公式は2022年に誕生した新グッズ「しゃけます(鮭がモデルのグッズ)」を掲げることを推奨しています。
なお、札幌ドームはコロナ前から衛生上の理由で、風船に直接口を付けて膨らませることは禁止されていました。
ポンプを使用するか、「ふくらましパーツ」と呼ばれる息を吹き込むためのアイテムを使用する必要があったのです。
【いつ始まった?】ジェット風船の歴史
明確な記録があるわけではないですが、ジェット風船の始まりは1978年5月13日の甲子園(阪神VS広島)と言われています。
この試合でカープファンがジェット風船を飛ばしたのが始まりです。
ジェット風船といえば甲子園(=阪神)というイメージが強いですが、始まりは甲子園の「カープファン」というのは意外で面白いですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。