球界の盟主とも呼ばれる読売ジャイアンツ。
その発祥の地は千葉県・習志野市にあり、記念碑が建てられている知る人ぞしる野球の聖地です。
当記事では、実際に現地を訪問してみた際のレポートです。楽しんでいただければ幸いです。
「読売巨人軍発祥の地」の基本情報
現地のレポートの前に、まずは簡単に基本情報を紹介します。
「発祥の地」について
「読売巨人軍発祥の地」は千葉県・習志野市の「谷津公園」内に位置します。
- プロ野球誕生前の1931年、野球振興のためにベーブ・ルースら全米選抜チームを招へい
- 全米チームと対戦する結成された全日本チームは当時の谷津球場(現在の谷津公園)を拠点とした
- この時の全日本チームを母体として、1934年に東京巨人軍が誕生した
- この東京巨人軍がのちの読売巨人軍であり、プロ野球の始まりとなった。
現在は姿を消してしまった「谷津球場」が、プロ野球創成期の拠点だったわけです。
その跡地は公園に変わっていますが、その公園の一角に記念碑が建立されています。
アクセス
「読売巨人軍発祥の地」は谷津公園内に位置します。
所在地 | 千葉県習志野市谷津(谷津公園) |
---|---|
最寄り駅 | 京成線「谷津駅」から徒歩約10分 |
見学可能時間 | 屋外のため制限なし(自由に見学可) |
最寄り駅は京成線の谷津駅ですが、JR京葉線「南船橋駅」からのアクセスも可能です(徒歩20分程度)
「南船橋駅」はZOZOマリンスタジアムの最寄り駅「海浜幕張駅」まで快速で1駅の距離感なので、ZOZOマリンスタジアムでの観戦のついでに立ち寄るのもおすすめです。
「読売巨人軍発祥の地」の現地の様子
ここからが現地のレポートです。

こちらが「読売巨人軍発祥の地」です。
重厚な石碑とともに、巨人の名選手たちの手形やサインとともに建てられています。

少し引いて撮ってみるとこんな感じです。
木々に埋もれており、公園の隅にひっそりと佇んでいます。

巨人カラーのオレンジの看板も立っていますので、見落とすことはないでしょう。


手形やサインは球団発足メンバーというわけではなく、巨人の歴代の名監督・名選手のものがずらり。
初代オーナーの正力松太郎、王貞治、長嶋茂雄など、プロ野球ファンならだれもが知る名が並びます。

すぐ真横にはこのような石碑も置かれています(正確には、こちらが正式な記念碑のようです)
昭和41年に設置されたものを復元したようですが、老朽化しており、近づいても文字を読むのは困難でした。

石碑をそのまま読むのは難しいですが、すぐ隣には説明文もあるので安心です。
昭和9年4月正力松太郎氏は日本野球界の発展、健全娯楽の育成のため全アメリカ選抜チームを招聘することとした。昭和6年の第1回招聘につぐ2回目の快挙であった。ベーブ・ルース、ルー・ゲーリック等一流選手が名をつらねる米チーム招聘の報が一度び伝わるや日本中は歓呼の声をあげて歓迎した。
これに対する全日本チームは六大学の名選手を中心に編成された。母校の名誉にかけて参加した日本軍選手はこの谷津の地に集結、ここを錬磨の庭として、心魂を傾けて策を練り技を磨いた。
かくして日米両チームは東京をはじめ全国各地を転戦、いたるところで爆発的熱狂の渦に巻き込まれた。
1滞日2ヶ月、米チームは日本野球界の発展に巨大な貢献をしたばかりかプロ野球結成の気運を醸成して嵐の如く去った。
そして昭和9年12月、この時の全日本チームを母体として東京巨人軍(のちに読売巨人軍と改称)が誕生したのである。またこの誕生を契機としてプロ球団が続々と輩出し、今日の隆盛の一歩を築いたのである。
思えば再度にわたる米チームの招聘は偉大なる企画であった。もしこの招聘がなかったならば、はたしてプロ野球の今日の隆昌はあったであろうか。
思いなかばにすぎるものがあろう。
その意味において、その招聘プランはもとよりこの地に集結した巨人軍の誕生は永く球史に記録されるべきである。
今回小社は、この地を読売巨人軍発祥の地として指定し、その経緯を後世に伝えるためにこの碑を建てた。
プロ野球の発展を祈念すると共に正力松太郎氏の卓見と努力に最大の敬意を表する次第である。
この碑は昭和41年に設置されたものを復元したものである。
昭和63年1月24日
習志野市
これだけと言ってしまえばこれだけのスペースではあるのですが、「日本プロ野球の原点」と考えるとグッとくるものはあります。
わざわざこれだけを見に来るという人も多くはないので混雑することもなく、じっくりと眺めることができました。
サッと見て帰ることもできるので、谷津公園やZOZOマリンスタジアムのついでに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
周辺エリア(谷津公園)の様子
「読売巨人軍発祥の地」だけを見に行くのは少々マニアックではありますが、谷津公園を散歩するついでに立ち寄るなら、ちょうどいいプチ観光になりそうです。

こちらは谷津駅前に置かれていた遊歩道案内図です。
谷津バラ園や谷津干潟をぐるりと1周できる遊歩道が整備されています。

(今回は天気がイマイチで、バラの開花も30%程度ということだったので入園は見送りました・・・)





超有名な観光スポットというわけではありませんが、静かでのどかな良い遊歩道でした。
ZOZOマリンスタジアムで熱い試合を見る前に、こちらでほっと一息つきながらプロ野球の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。
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