プロ野球では数年に一度のペースで200勝や2000本安打といった大記録が生まれます。
そのたびに「名球会」という単語も耳にしますが、この名球会についてご存知でしょうか。
当記事では、名球会について組織の概要や入会条件について解説します。
日本プロ野球名球会とは
日本プロ野球名球会は一般的に「名球会」と呼ばれます。
まずは名球会の概要と活動内容についてご紹介します。
関連サイト(外部サイト):名球会公式サイト
名球会の概要
名球会の正式名称は「一般社団法人日本プロ野球名球会」です。
2022年時点では、以下の体制で活動している法人です。
- 理事長:山本浩二
- 副理事長:柴田勲、古田敦也
- 顧問:長嶋茂雄、王貞治
この体制のもと、多くの元プロ野球選手や現役プロ野球選手が所属しています。
厳しい条件をクリアした選手のみが入会できる団体であるため、「名球会入り」はレジェンド選手の仲間入りとも言えます。
名球会の活動内容
「名球会=レジェンド選手」のイメージが強いですよね。
この名球会は法人として、野球振興・社会貢献のために様々な活動を行っています。
主な活動は以下の通りです。
名球会の主な活動
- 野球教室の開催
- 名球会ベースボールフェスティバル
- チャリティゴルフ
- チャリティオークション
- 講演会
名球会ベースボールフェスティバルは現役・OBを含めた対抗試合です。
レジェンド選手が一堂に会する人気企画です。
また、チャリティゴルフもBS等でテレビ放送され、レジェンド選手の素の一面が見れる貴重なイベントとなっています。
名球会の入会条件
名球会入りがレジェンド選手の証と言える最大の理由が、その入会条件の厳しさです。
以下では、名球会の入会条件について解説します。
【原則】2000安打or200勝or250セーブ
名球会の入会条件はシンプルで、2000安打、200勝、250セーブのいずれかが必要です。
詳細な条件は以下のとおりです。
名球会入りの条件
- NPBのプロ野球選手または元プロ野球選手
- 昭和生まれ以降
- 2000安打、200勝、250セーブのいずれかの達成
※MLBの記録も合算可能(ただし、NPBでの記録をスタート地点とする)
条件はシンプルですが、長期に渡って活躍が必要です。
また、MLBを除く海外リーグ、国内独立リーグの記録は考慮されません。
2019年に「特例枠」が創設
時代とともに野球の形式も変化しており、入会条件の見直しの声が上がっているのも事実です。
「理事会にて推薦を受けた選手について、会員の4分の3以上の賛成が得れれば特例枠として会員になれる」という特例枠の条件が2019年に追加されました。
ただし、2022年2月時点では、この特例枠で入会した選手はいません。
「特例枠」で名球会入りする選手候補は?
今後特例枠で名球会入りが認められるのはどのような選手なのでしょうか。
そもそも特例枠の議論の発端は、従来の仕組みでは以下のような大記録を達成しても、名球会入りできないという点にありました。
名球会入りに相応しい大記録(例)
- 400本塁打
- 300盗塁
- 200ホールド
従来の制度では、ヒットは少ないが長打力のある大打者、中継ぎエースなどの投手は名球会入りが厳しかったのが現状です。
その他の例では上原浩治氏の100勝100ホールド100セーブは前人未踏の大記録ですが、こちらも名球会入りの条件は達成していません。
また、二刀流選手大谷翔平が仮に100勝1000安打を達成したとしても、これもまた名球会入りはできないのです。
このような課題認識から創設された特例枠です。
おそらく選出されるのは「惜しくも記録に届かなかった選手」ではなく、中継ぎ投手や長距離打者など、視点の違う選出となることが想定されます。
名球会の会員メンバー一覧
2022年2月時点の名球会のメンバーをご紹介します。
※追加の都度、当記事も更新予定です。
投手の名球会メンバー
選手名 | 条件達成日 |
---|---|
小山正明 | 1964年8月13日 |
米田哲也 | 1966年8月14日 |
鈴木啓示 | 1977年4月26日 |
山田久志 | 1982年4月29日 |
江夏豊 | 1982年7月2日 |
平松政次 | 1983年10月21日 |
東尾修 | 1984年9月15日 |
村田兆治 | 1989年5月13日 |
北別府学 | 1992年7月16日 |
佐々木主浩※ | 2000年7月16日 |
高津臣吾※ | 2003年8月16日 |
工藤公康 | 2004年8月17日 |
野茂英雄 | 2005年6月15日 |
山本昌 | 2008年8月4日 |
岩瀬仁紀※ | 2010年6月16日 |
黒田博樹 | 2016年7月23日 |
※250セーブを達成
野手の名球会メンバー
選手名 | 条件達成日 |
---|---|
長嶋茂雄 | 1971年5月25日 |
広瀬叔功 | 1972年7月1日 |
張本勲 | 1972年8月19日 |
王貞治 | 1974年8月4日 |
土井正博 | 1977年7月5日 |
松原誠 | 1980年4月23日 |
柴田勲 | 1980年8月7日 |
藤田平 | 1983年5月3日 |
福本豊 | 1983年9月1日 |
山崎裕之 | 1983年9月18日 |
山本浩二 | 1984年5月5日 |
有藤通世 | 1985年7月11日 |
若松勉 | 1985年10月9日 |
加藤秀司 | 1987年5月7日 |
門田博光 | 1987年8月26日 |
新井宏昌 | 1992年7月8日 |
秋山幸二 | 2000年8月18日 |
駒田徳広 | 2000年9月6日 |
立浪和義 | 2003年7月5日 |
イチロー | 2004年5月21日 |
清原和博 | 2004年6月4日 |
古田敦也 | 2005年4月24日 |
野村謙二郎 | 2005年6月23日 |
石井琢朗 | 2006年5月11日 |
松井秀喜 | 2007年5月6日 |
田中幸雄 | 2007年5月17日 |
前田智徳 | 2007年9月1日 |
金本知憲 | 2008年4月12日 |
松井稼頭央 | 2009年8月15日 |
小笠原道大 | 2011年5月5日 |
稲葉篤紀 | 2012年4月28日 |
宮本慎也 | 2012年5月4日 |
小久保裕紀 | 2012年6月24日 |
A・ラミレス | 2013年4月6日 |
中村紀洋 | 2013年5月1日 |
谷繁元信 | 2013年5月6日 |
井口資仁 | 2013年7月26日 |
和田一浩 | 2015年6月11日 |
新井貴浩 | 2016年4月26日 |
福留孝介 | 2016年6月25日 |
荒木雅博 | 2017年6月3日 |
青木宣親 | 2017年6月11日 |
阿部慎之助 | 2017年8月13日 |
鳥谷敬 | 2017年9月8日 |
内川聖一 | 2018年5月9日 |
福浦和也 | 2018年9月22日 |
坂本勇人 | 2020年11月8日 |
栗山巧 | 2021年9月4日 |
名球会 まとめ
名球会入りの条件をもう一度おさらいしておきましょう。
名球会入りの条件
- NPBのプロ野球選手または元プロ野球選手
- 昭和生まれ以降
- 2000安打、200勝、250セーブのいずれかの達成
※MLBの記録も合算可能(ただし、NPBでの記録をスタート地点とする) - 【特例枠】理事会にて推薦を受けた選手について、会員の4分の3以上の賛成
当記事が参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。