プロ野球には公式記録員と呼ばれる仕事が存在します。
野球に詳しい人なら、「バックスクリーンに「H」や「E」のランプを灯す人」といったことなどはご存じかもしれません。
ただ、公式記録員の実態を詳しく説明できる方は少ないのではないでしょうか。
当記事では、プロ野球公式記録員の仕事内容や記録員になる方法についてご紹介します。
筆者のプロフィール
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
プロ野球の公式記録員は何者?
公式記録員はプロ野球のルールブック(公認野球規則)でも明確に定義されたプロ野球の職業です。
(前略) 記録員は、新聞記者席内の所定の位置で試合の記録をとり、記録に関する規則の適用に関して、たとえば打者が一塁に生きた場合、それが安打によるものか、失策によるものなのかなどを、独自の判断で決定する権限を持つ。(後略)
公認野球規則9.01(a)より引用
この公式記録員、実はNPB(プロ野球機構)に雇用されているサラリーマンです。
20名程度の公式記録員がNPBに所属しています。
なお、プロ野球の審判員は年間契約で更新制の個人事業主です。
プロ野球の公式記録員の主な仕事
プロ野球の公式記録員の主な仕事をご紹介します。
審判員と混同されることも多いですが、審判と記録員の違いはざっくり以下のとおりです。
審判 | 【試合進行のジャッジが主な仕事】 アウト/セーフを判定する ストライク/ボールを判定する、等 |
記録員 | 【記録の判定が主な仕事】 ヒット/エラーを判定する 二塁打/三塁打を判定する 勝利投手を決定する、等 |
どちらもルールブックに基づいた判定ですが、両者は明確に役割が違うのです。
具体的な公式記録員の仕事は以下のようなものが挙げられます。
※NPB記録員コラムを参考にしています。
<プロ野球シーズン中>
- 公式スコアブックをつける
- 球場の「H」「E」「Fc」ランプの操作を行う
- 各種記録の判定を行う(ヒットorエラー?捕逸or暴投?等)
- 球数や各種記録について、放送席等関係者にアナウンスする
- NPB公式データベースへの記録の登録
<オフシーズン>
- 「オフィシャルベースボールガイド(日本で唯一のプロ野球に関する公式記録集)」等の書籍の執筆
- 過去データの補完作業(古いスコアを1試合ずつ見ながらデータ入力)
- 日本野球規則委員会の一員として公認野球規則の改定、編纂への関与
かなり多岐にわたっていますね。
サラリーマンなので、やはりプロ野球オフシーズンも休みというわけではありません(めちゃくちゃ忙しそうですね・・・)
ちなみに公式記録員が関与している記録集「オフィシャルベースボールガイド」や野球のルールブック「公認野球規則」は書店で簡単に購入できます。
※ネットにもあります↓
プロ野球の公式記録員になる方法
公式記録員の仕事を知った野球好きは「こんな仕事をしてみたい!」と思うのではないでしょうか。
スコアボードに「H」ランプを灯す瞬間なんて憧れですよね
では、公式記録員にはどのようにしてなるのでしょうか。
公式記録員はサラリーマンですので、NPBに就職する必要があります。
このNPBへの記録員としての就職が極めて狭き門なのです。
NPBへの就職はNPBの採用ページにて情報公開されます。
ただ、公式記録員の採用は基本的に欠員が出た場合だけですので、2017年の採用を最後に募集は出ていません。
数年に一度しか募集されず、採用人数も若干名となかなか厳しいですね。
なお、2022年の記録員の一覧を見る限り、学歴やプロ野球選手としての経歴は必要なさそうです。
ただ、相当な野球の知識と熱意は求められるでしょうね。
※【参考】2022年時点の記録員の一覧がこちらです→外部サイト:NPB記録員一覧
プロ野球の公式記録員まとめ
記録員は野球の記録のプロフェッショナルです。
特に試合中の記録の判断は、ルールの深い知識と瞬時の判断力が必要です。
以下の記事では野球に関する難しいルールをまとめていますが、記録員ならこのようなケースも即答できるのでしょうね。
最後までお読みいただきありがとうございました。