従来は野球の強打者といえば4番打者でした。
一方で近年は2番打者最強理論というものが存在することはご存じでしょうか。
当記事では近年のトレンドをおさえつつ、野球における2番打者の役割を解説します。
筆者のプロフィール
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
2番打者に求められる役割とは
2番打者の前後は、基本的に以下のような選手が務めます。
- 1番打者:出塁率が高い俊足巧打のチャンスメーカー
- 3番打者:打率・長打率が高い得点能力に優れたバッター
これを踏まえて2番打者の役割を整理してみましょう。
この役割を踏まえて、2番打者は大きく2つのタイプに分類できます。
- 俊足巧打の便利屋
- 攻撃的2番打者(最強打者)
以下、それぞれについて順番に解説します。
【従来の2番打者】俊足巧打の便利屋
日本の主流が俊足巧打の便利屋タイプで、つなぐ2番
です。
プロ野球もアマチュア野球も、2番打者にはこのタイプを置く傾向が強いです。
2番打者といえば「バント」のイメージはありますよね
このタイプの2番打者は以下のような点を重視しています。
- 塁上のランナー(1番打者)を次の塁に進塁させる
- 自分自身が出塁し、走力を活かしてチャンスを拡大する
- ゲッツーの可能性が低い
要するに、クリーンナップの前に少しでもチャンスを拡大することが目的です。
【近年注目】2番打者最強理論(攻撃的2番)
一方で近年注目が高まっているのが、2番打者最強理論とも呼ばれる攻撃的2番です。
こちらは打つ2番と表現しても良いでしょう。
メジャーリーグでは一般的なものとなってきており、ヤンキースのジャッジやエンゼルスのトラウトが攻撃的2番打者の代表格です。
日本でも導入事例が増えてきました
この攻撃的2番は、以下のような点を重視しています。
- 出塁率の高い打者の後ろに最も打てる打者を配置することで得点力アップ
- バントや進塁打でアウトカウントを増やすのはもったいない
- 一打(長打)でクリーンナップの前にチャンスメークできる
従来の2番者が小技でつないでチャンスを作ったのに対し、攻撃的2番は打ってチャンスメークすることを狙っています。
必然的に攻撃的2番を導入すると、そのチームのバント数は激減します。
日本プロ野球に2番打者最強理論は普及するか?
最後に、日本プロ野球に2番打者最強理論が普及するか考察します。
結論としては、導入するチームは増えてもそれが主流にはならないと筆者は考えています。
メジャーとは選手層が違うのが理由です
メジャーリーグは長打力のある選手が多いため、2番打者に最強打者を置いてもそれなりのクリーンナップを構築することができます。
一方で、日本はそうではありません。
長打力のある打者を2番に置いた結果、クリーンナップの力が落ちては本末転倒です。
長打力のある打者が限られている日本の球団では、必ずしも攻撃的2番ははまらない、とうのが筆者の見解です。
もちろん、チームによっては上手くはまるでしょう
近年では巨人の坂本が攻撃的2番として機能しました。
これは坂本の他にも丸や岡本など、強打者が揃っていたからこそ実現できた打順なのです。
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