プロ野球基礎知識

【野球基礎】安全進塁権のルールを解説【エンタイトルツーベースとは?】

野球を見ていたら、「エンタイトルツーベース」って単語を聞いたんだけど、どういう意味だろう

打球がグラウンドでバウンドした後、スタンドに入った場合はエンタイトルツーベースとなります。

これは「安全進塁権」というルールが根拠になっており、安全進塁権は細かくルールが定められています。

当記事では、安全進塁権やエンタイトルツーベースのルールについて分かりやすく解説します。
野球を見る目がより深まれば幸いです。

 

筆者のプロフィール

野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。

 

安全進塁権のルール

安全進塁権とは、与えられた塁までアウトにされる恐れなく進塁することができる権利です。

安全進塁権は打者に与えられるケース、走者に与えられるケースの2つが公認野球規則で規定されています。
※打者の安全進塁権:公認野球規則5.05(b)
※走者の安全進塁権:公認野球規則5.06(b)

ざっくり整理すると、以下のようなケースで安全進塁権が与えられます。

安全進塁権が与えられるケース

・守備の反則行為に対するペナルティ
・打球がグラウンドから出た場合の措置、等

公認野球規則では、どのようなケースにいくつの進塁が認められるか、詳細に規定されています。

 

四死球やエンタイトルツーベース、ホームランも安全進塁権

安全進塁権と聞くと、難しい単語に聞こえますが、その実態は馴染みあるプレーも多いです。

主な例では、四死球やエンタイトルツーベース、ホームランも安全進塁権のルールに基づくプレーなのです。

<例>
・四死球は打者に1つの安全進塁権が与えられたケース
・エンタイトルツーベースは2つの安全進塁権が与えられたケース
・ホームランは4つの安全進塁権が与えられたケース

 

次では、安全進塁権の与えられるプレーの一覧をご紹介します。

安全進塁権の与えられるプレー一覧

以下では、公認野球規則に定められている安全進塁権を一覧でご紹介します。

打者の安全進塁権、走者の安全進塁権、走者(打者走者含む)の安全進塁権の3つに分類されますので、順番に見ていきましょう。

打者の安全進塁権(公認野球規則5.05)

打者のみに安全進塁権が与えられるケースは以下の通りです。

打者の安全進塁権は、すべて1つの進塁(1塁への進塁)が認められます

打者の安全進塁権

・四球
・デッドボール
・打撃妨害
・打球がフェアゾーンで審判員または走者にあたる

安全進塁権が与えられるのは打者のみですが、進塁先に既にランナーがいる場合、そのランナーも進塁することが認められます。

四球の場面を思い浮かべるとイメージが湧きやすいですね。

<例>
・ランナー1塁の場面で四球(打者の安全進塁権)となると、1塁走者は2塁に進塁できる。
・ランナー3塁の場面で四球(打者の安全進塁権)となっても、3塁走者は進塁できない。

 

走者の安全進塁権(公認野球規則5.06(b))

走者の安全進塁権は打者走者を除くケースと、打者走者を含むケースで分けて定められています。

 

走者(打者走者除く)の安全進塁権

打者走者を除くケースでは、塁上のランナーのみに適用される安全進塁権です。

ランナーが存在しない場合は適用されません。

走者(打者走者除く)の安全進塁権では、全て1つの進塁権が与えられます

走者(打者走者除く)の安全進塁権

・ボーク
・打者に安全進塁権が与えられ、塁を明け渡さなければならなくなった場合
・野手がフライを捕球した後、スタンドやベンチに倒れこんだ場合
・盗塁を企てた時の打撃妨害
・野手が投球にグラブ等をぶつけた場合

 

走者(打者走者含む)の安全進塁権

走者(打者走者含む)の安全進塁権は、プレーの内容によって認められる進塁が異なります。

ホームランやエンタイトルツーベースもここで規定されています。

走者(打者走者含む)の安全進塁権

<4つの進塁が認められるケース>
・ホームラン

<3つの進塁が認められるケース>
・野手がボールやグラブ等をフェアの打球に投げつけた場合

<2つの進塁が認められるケース>
・野手がボールやグラブ等を送球に投げつけた場合
・フェアの打球が、バウンドしてスタンドに入る(エンタイトルツーベース)
・野手の送球がスタンドやベンチに入る

<1つの進塁が認められるケース>
・投球や送球がスタンドやベンチに入った場合
・第4ボール(四球)または第3ストライク(三振)にあたる投球が、球審や捕手のマスクや用具に挟まって止まった場合。

 

 

安全進塁権をめぐる珍プレー

安全進塁権には、非常に珍しいケースを想定したマニアックな規定も多いことが分かったのではないでしょうか。

マニアックな規定は、実際のプレーで適用されると珍プレーとして記憶されることも多いです。

最後に、安全進塁権に関連する珍プレーを2つご紹介します。

アウトカウントを間違えてボールをスタンドへ

数年に1度のペースで起きてしまうのがこのプレーです。

野手は3アウト目をフライで捕球すると、ファンサービスでそのボールをスタンドに投げ込みます。

この際、アウトカウントを間違えて2アウト目や1アウト目でスタンドに投げ込んでしまうと、「野手の送球がスタンドやベンチに入る」に該当してしまうため、2つの安全進塁権が認められるのです。

オーティズ事件

「オーティズ事件」とも呼ばれるそのプレーは、2008年5月4日・ロッテVS西部戦で発生しました。

西武・栗山の一塁強襲の打球がライト方向に転々としていたところ、二塁手のオーティズがグラブを外し、打球に向かって投げたのです。

グラブはボールに触れていたことから、「野手がボールやグラブ等をフェアの打球に投げつけた場合」の規定に該当し、栗山には3つの安全進塁権が与えられました。