野球の基礎知識

【野球基礎】奪三振率とは?計算方法や歴代記録を解説!

野球には様々な数字が登場します。

打率、出塁率、打点、防御率、勝率 etc・・

 

とはいえ、野球に詳しくない方にとってはそれぞれの数字の意味、計算方法もサッパリ分かりませんよね。

当サイトでは、野球観戦初心者に向けて、野球に関する数字を簡単に解説します。

当記事のテーマは投手の奪三振率です。

計算方法や歴代記録について解説します。

 

筆者のプロフィール

野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。

 

奪三振率とは?

奪三振率とは、1試合平均(=9イニング平均)の奪三振数です。

投手が1試合を完投した場合、いくつの三振を奪うことが出来るか、を表しています。

ペース配分を考えながら長いイニングを投げる先発投手よりも、短いイニングを全力投球できるリリーフ投手の方が奪三振率は高くなる傾向があります。

奪三振率は7.5を超えると高いと評価され、9(1イニングに1つは三振を取る)を超えると奪三振投手と評価されます。

なお、奪三振数は日本プロ野球機構(NPB)により公式に記録されますが、奪三振率は公式記録ではなく、タイトル(表彰)の対象にもなっていません。

 

奪三振率の計算方法

奪三振率の計算方法は以下の通りです。

<奪三振率の計算式>
奪三振数 × 9 ÷投球回

1試合あたりの平均を算出するだけの、簡単な計算式ですね。

 

 

歴代奪三振記録の奪三振率を計算してみる

ここでは、公式記録として記録されている、「奪三振数」の記録保持者の奪三振率を比較してみます。

意外な結果を発見することが出来ました。ぜひご覧ください。

通算奪三振記録を調査

奪三振記録では、不滅の奪三振数4490を誇る金田正一や米田哲也など、昭和のレジェンド選手たちの名前がずらりと並びます。

当時は先発完投、連投が当たり前の時代で、奪三振数以上にその積み重ねた投球回数が異常な数字となっています。

通算奪三振数トップ20は以下の通りです。

順位投手奪三振実働期間投球回
1金田 正一44901950-19695526.2
2米田 哲也33881956-19775130
3小山 正明31591953-19734899
4鈴木 啓示30611966-19854600.1
5江夏 豊29871967-19843196
6梶本 隆夫29451954-19734208
7工藤 公康28591982-20103336.2
8稲尾 和久25741956-19693599
9三浦 大輔24811992-20163276
10村田 兆治23631968-19903331.1
11山本昌23101986-20153348.2
12村山 実22711959-19723050.1
13小野 正一22441956-19702909
14杉内 俊哉21562002-20152091.1
15石井 一久21151992-20132153.1
16槙原 寛己21111983-20012485
17川口 和久20921981-19982410
18西口 文也20821995-20152527.2
19山田 久志20581969-19883865
20平松 政次20451967-19843360.2

 

それでは、この20名を奪三振率で並び替えるとどうなるでしょうか。

奪三振率
順位
奪三振数
順位
投手奪三振実働期間投球回奪三振率
114杉内 俊哉21562002-20152091.19.28
215石井 一久21151992-20132153.18.84
35江夏 豊29871967-198431968.41
417川口 和久20921981-199824107.81
57工藤 公康28591982-20103336.27.71
616槙原 寛己21111983-200124857.65
718西口 文也20821995-20152527.27.41
81金田 正一44901950-19695526.27.31
913小野 正一22441956-197029096.94
109三浦 大輔24811992-201632766.82
1112村山 実22711959-19723050.16.70
128稲尾 和久25741956-196935996.44
1310村田 兆治23631968-19903331.16.38
146梶本 隆夫29451954-197342086.30
1511山本昌23101986-20153348.26.21
164鈴木 啓示30611966-19854600.15.99
172米田 哲也33881956-197751305.94
183小山 正明31591953-197348995.80
1920平松 政次20451967-19843360.25.48
2019山田 久志20581969-198838654.79

 

トップにはホークス、ジャイアンツで活躍した杉内がトップに立ちました。

奪三振数では14位につけた杉内が奪三振率では1位、奪三振数では15位につけた石井一久が奪三振率2位、と比較的近年に活躍した投手が奮闘しています。

これは昭和と平成で投手の役割が変わったことも影響しているでしょう。

昭和の投手は先発完投が当たり前の時代ですので、多少打ち込まれても長いイニングを投げています。投球イニングが長くなるため、奪三振の個数は積み重なりますが、疲れた状態でも投球を続けたため、試合終盤は三振を奪うことが難しくなり、「率」は下がったものと推測できます。

一方、杉内や石井ら、平成の投手は先発/リリーフの分業が進んだ時代の投手ですので、調子が悪い場合や球数が多くなった場合は比較的短いイニングで降板することもありますので、昭和の投手に比べていい状態でマウンドに立つことが多かったと言えます。

イニング数は昭和の投手には敵いませんが、奪三振率では平成の投手に軍配が上がる、という結果になるのですね。

実際に現役投手では千賀滉大や大谷翔平など、高い奪三振率を誇る投手が続々と生まれています。

 

シーズン奪三振記録を調査

シーズン奪三振記録も歴代記録同様に比較してみましょう。

こちらもやはり奪三振数では長いイニングを投げていた昭和の投手がランクインしています。

順位投手当時所属奪三振年度投球回
1江夏 豊阪 神4011968329
2稲尾 和久西 鉄3531961404
3金田 正一国 鉄3501955400
4江夏 豊阪 神3401970337.2
5杉浦 忠南 海3361959371.1
6稲尾 和久西 鉄3341958373
7梶本 隆夫阪 急3271956364.1
8稲尾 和久西 鉄3211959402.1
9杉浦 忠南 海3171960332.2
10金田 正一国 鉄3161956367.1
11金田 正一国 鉄3131959304.1
12秋山 登大 洋3121957406
13金田 正一国 鉄3111958332.1
14権藤 博中 日3101961429.1
15金田 正一国 鉄3061957353
16鈴木 啓示近 鉄3051968359
17西村 一孔阪 神3021955295.1
18梶本 隆夫阪 急3011957337.1
19土橋 正幸東 映2981961393
20亀田 忠黒 鷲2971940456.2
21村山 実阪 神2941959295.1
22稲尾 和久西 鉄2881957373.2
23金田 正一国 鉄2871963337
23野茂 英雄近 鉄2871990235
23野茂 英雄近 鉄2871991242.1
26鈴木 啓示近 鉄2861969330.2
27金田 正一国 鉄2841960320.1
28スタルヒン巨 人2821939458.1
29野茂 英雄近 鉄2761993243.1
29ダルビッシュ 有日本ハム2762011232

 

この30名を奪三振率で入れ替えると、以下のとおりに順番がガラリと入れ替わります。

奪三振率
順位
奪三振数
順位
投手当時所属奪三振年度投球回奪三振率
123野茂 英雄近 鉄287199023510.99
21江夏 豊阪 神401196832910.97
329ダルビッシュ 有日本ハム276201123210.71
423野茂 英雄近 鉄2871991242.110.67
529野茂 英雄近 鉄2761993243.110.22
611金田 正一国 鉄3131959304.19.26
717西村 一孔阪 神3021955295.19.21
84江夏 豊阪 神3401970337.29.07
921村山 実阪 神2941959295.18.97
109杉浦 忠南 海3171960332.28.59
1113金田 正一国 鉄3111958332.18.43
125杉浦 忠南 海3361959371.18.15
137梶本 隆夫阪 急3271956364.18.08
146稲尾 和久西 鉄33419583738.06
1518梶本 隆夫阪 急3011957337.18.04
1627金田 正一国 鉄2841960320.17.99
173金田 正一国 鉄35019554007.88
182稲尾 和久西 鉄35319614047.86
1915金田 正一国 鉄30619573537.80
2026鈴木 啓示近 鉄2861969330.27.80
2110金田 正一国 鉄3161956367.17.75
2223金田 正一国 鉄28719633377.66
2316鈴木 啓示近 鉄30519683597.65
248稲尾 和久西 鉄3211959402.17.18
2522稲尾 和久西 鉄2881957373.26.95
2612秋山 登大 洋31219574066.92
2719土橋 正幸東 映29819613936.82
2814権藤 博中 日3101961429.16.50
2920亀田 忠黒 鷲2971940456.25.86
3028スタルヒン巨 人2821939458.15.54

 

奪三振率で並び替えると、野茂やダルビッシュなど、平成の投手もやはり上位に顔を出してきましたね。

なお、上記の表は奪三振数の上位30名を並び替えたものなのでそもそもランクインしていませんが、シーズン奪三振記録は1998年石井一(ヤクルト)の11・05が記録されています。

奪三振率まとめ

ここまでの内容を箇条書きでまとめます。

・奪三振率とは、1試合平均(=9イニング平均)の奪三振数です。

・奪三振数 × 9 ÷投球回で算出される

・奪三振数は昭和の投手が多くランクインするが、奪三振率で並び替えると平成の投手も多く名を連ねる

 

近年はセイバーメトリクスと呼ばれる野球に統計学が用いられるようになり、さらに複雑な数字も誕生しました。

以下の記事で解説していますので合わせてご覧ください。

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