プロ野球基礎知識

【図解・野球基礎】バッターボックスから足がはみ出したら?反則打球のルールを解説

 

バッターボックスをはみ出すと、アウトになるって聞いたけど本当?
はみ出すってどういうことだろう。少しでも踏んでいればOKなのかな?

 

バッターボックスをはみ出してはいけない、というのは野球選手にとってはもはや常識ですが、観戦する野球ファンはあまり意識することのないルールです。

これは公認野球規則6.03(a)(1)「打者の反則行為によるアウト」にて規定されており、一般的に反則打球と呼ばれています。

高校野球やプロ野球でも、稀に反則打球で打者がアウトになるケースがあります。

当記事では、この反則打球のルールについて分かりやすく解説します。

 

筆者のプロフィール

野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。

 

反則打球のルールを解説

反則打球とは「バッターボックスからはみ出すとアウト」というルールです。

反則打球は公認野球規則6.03(a)(1)「打者の反則行為によるアウト」にて定められていますが、まずはその前にバッターボックスの定義を確認しておきましょう。

 

以下は、公認野球規則5.04 「打者」に記載されているものの引用です。

打者は、正規の打撃姿勢をとるためには、バッタースボックスの内にその 両足を置くことが必要である。

【規則説明】バッタースボックスのラインは、バッタースボックスの一部である。

公認野球規則5.04(b)(5)

 

この規定を踏まえると、打者は打撃姿勢(構え)の段階では両足をバッターボックスの内側に置く必要があるとされています。

そして、バッターボックスの線はバッターボックスの一部とも明記されています。

まずはこれを頭に入れておきましょう。

 

次に、公認野球規則6.03(a)(1)「打者の反則行為によるアウト」の規定を引用します。

次の場合、打者は反則行為でアウトになる。
打者が片足または両足を完全にバッタースボックスの外に置いて打った場合。

本項は打者がバッターボックスの外に出てバットにボールを当てた(フェアかファウルかを問わない)とき、アウトを宣告されることを述べている。球審は故意四球が企てられているとき、投球を打とうとする打者の足の位置に特に注意を払わなければならない。打者はバッターボックスから飛び出したり、踏み出して投球を打つことは許されない。

公認野球規則6.03(a)(1)抜粋

 

こちらでは、完全に足がバッターボックスの外に置かれた場合にアウト、とされています。

また、アウトを宣告されるのは、あくまでもバットにボールがあたった場合であり、空振りであった場合は反則打球でアウトにならず、通常通りストライクとなります。

これらの規定を頭に入れたうえで、以下ではどのようにはみ出した場合にアウトと判定されるのかを図を用いて解説します。

 

【図解】どのようにはみ出したらアウト?

規定を踏まえると、構えとインパクトのタイミングで「はみ出す」の考え方が異なることが分かります。

構えの段階では、少しでもはみ出したらアウト

・打撃姿勢(構え)の段階では両足をバッターボックスの内側に置く必要がある
・バッターボックスの線はバッターボックスの一部

このポイントを踏まえると、以下のように構えているケースは当然問題ありません。

 

しかしながら、以下のケースでは一部がバッターボックスからはみ出しているため、この構えはルール違反となります。

 

なお、バッターボックスの線はバッターボックスの一部ですので、バッターボックスの線を踏んでいるだけで、はみ出していないのであれば、問題はありません。

 

インパクト時は、完全にはみ出したらアウト

・完全に足がバッターボックスの外に置かれた場合にアウト

完全にというワードがポイントとなります。

以下のケースは、一部バッターボックスをはみ出していますが、完全にははみ出していませんので、インパクト時はこの状態であれば問題ありません。

構えのタイミングではNGでしたが、インパクト時は問題ないのです。

 

インパクト時に反則打球が取られるのは以下のようなパターンです。

完全にバッターボックスをはみ出していますね。

 

バッターボックスの線はバッターボックスですので、少しでも線を踏んでいれば、反則打球でアウトになることはありません

そのため、反則打球の判定が争われる場合は、線を踏んでいたかいないか、に注目が集まります。

反則打球の規定では「バッタースボックスの外に置いて打った場合」と規定されていますので、ジャンプしながら空中で打った場合はアウトにはなりません。(空中なら、バッターボックスの外に置かれてはいませんよね)

 

反則打球が発生しやすいシチュエーション

反則打球が最も発生しやすいシチュエーションは、スクイズの場面です。

打者は何がなんでも前に打球を飛ばしたい場面ですが、これを守備側が読み切り、ウエスト(ボールに外した)とします。

たとえ遠いボール球だとしても、スクイズで3塁ランナーが突っ込んできている以上、打者はバットを当てに行くしかありません。

このような場面では、バッターボックスの外に出ることを覚悟でバットを出すため、反則打球が発生しやすいのです。

 

また、敬遠球を打つようなケースも、反則打球ではないか注意が必要です。

敬遠球をヒットにした例と言えば、1999年6月12日の阪神VS巨人戦の新庄のサヨナラヒットが有名ですが、あれはしっかりとバッターボックスの中に留まりながら打った見事な打席でした。

反則打球が起きた場合ランナーは元に戻る

反則打球で打者がアウトとなった場合、塁上にいたランナーは元の塁に戻されます。

このルールは、スクイズの場面では大きなポイントになります。

 

1アウト3塁の場面でスクイズが守備側に読まれてしまったとしましょう。

バットが届かないと諦めてしまえば3塁ランナーはタッチアウトで、2アウトランナー無しとなります。

一方で、バッターボックスをはみ出してでもバットに当てに行った場合、反則打球で打者はアウトになりますが、走者は元に戻るので2アウト3塁となります。

つまり、スクイズが読まれた場合は反則打球覚悟でバットに当てに行く方が賢いプレーなのです。

13塁でスクイズが読まれて外された場合

・諦めて見送る→2死ランナーなし
・反則打球で当てに行く→2死3塁

→つまり、反則打球の方が得!

 

スクイズの場面の反則打球は2005年にルールが改正されています。

2005年まではスクイズの場面での反則打球には守備妨害の規定が適用され、「無死または一死の場合は三塁走者がアウト、二死の場合は打者アウトとなり得点は記録されない」とされていました。

2006年以降、反則打球のルールが適用されるようになり、上記の解説のとおりとなっています。

 

プロ野球で反則打球が取られた事例

ソフトバンクの二塁手として活躍した本田雄一は、2013年にバントの場面で2度の反則打球を取られています。

当時の本多はバントの際に後ろ足を大きく踏み込むことがあり、これが反則打球となっています。

 

反則打球まとめ

ここまでの内容を箇条書きでまとめます。

・反則打球とは「バッターボックスからはみ出すとアウト」というルール

・打撃姿勢(構え)の段階では両足をバッターボックスの内側に置く必要がある

・バッターボックスの線はバッターボックスの一部

・スイング時は完全に足がバッターボックスの外に置かれた場合にアウト

・スクイズが読まれた場合は反則打球覚悟でバットに当てに行く方が賢いプレー

・プロ野球でも反則打球が取られたケースはある