- 規定投球回数の定義を分かりやすく説明
- 規定投球回数達成の難易度を紹介
- 2009年以降の規定投球回数の達成人数を一覧化
プロ野球シーズン終盤になると話題にのぼるのが、規定投球回数です。
当記事では、規定投球回数について解説した上で、その達成の難しさや近年の達成状況をご紹介します。
筆者のプロフィール
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
規定投球回数とは
規定投球回数は最優秀賞防御率を獲得するための条件に設定されています。
近年はその年の試合数が規定投球回数として設定されます。
- 2019年は143試合なので規定投球回数は143イニング
- 2020年は120試合なので規定投球回数は120イニング
最優秀賞防御率のような「率」の数字はその母数が小さいと極端な数値が出てしまうので、これは当然の措置ですね。
先発としてシーズンを戦い抜いた投手の中から選定しようという意図が感じられます。
規定投球回数を達成するのは難しい
2020年シーズンでは、規定投球回数を達成した投手はセ・リーグが6人、パ・リーグが8人といずれも1桁となりました。
それだけ達成するのが難しい記録です。
規定投球回数達成に向けた投球のペースは?
そもそも、規定投球回数を達成するためにはどのくらいのペースで投げる必要があるのでしょうか。
安定してローテーションを守る投手は、単純計算で年間24試合(143試合÷6)ほど登板することになります。
24試合で規定投球回数を越えるためには、1試合あたり6イニング(143回÷24試合)をシーズン通じて投げ続ける必要があります。
短いイニングでKOされたり、二軍落ち、怪我などが続くと規定投球回数の達成は極めて困難と言えるでしょう。
ちなみに1イニング投げるリリーフ投手であれば全試合投げる必要があります。
リリーフ投手で規定投球回数達成は不可能と言えますね。
近年の達成人数は?
規定投球回数達成者は減少傾向です。
先発完投よりも勝利の方程式を重視する傾向が強くなったことや、そもそも先発完投型の大エース(ダルビッシュ有、田中将大、前田健太、菊池雄星etc・・)がメジャー挑戦で日本プロ野球を出てしまうことが原因と言えるでしょう。
近年の規定投球回数の達成人数は下表のとおりです。
年度 | セ・リーグ | パ・リーグ |
2009 | 17 | 17 |
2010 | 12 | 16 |
2011 | 16 | 17 |
2012 | 20 | 13 |
2013 | 17 | 12 |
2014 | 15 | 13 |
2015 | 14 | 12 |
2016 | 12 | 14 |
2017 | 12 | 13 |
2018 | 8 | 9 |
2019 | 9 | 6 |
2020 | 6 | 8 |
規定投球回数まとめ
ここまでの内容を箇条書きでまとめます。
- 最優秀賞防御率獲得のために到達が必要なイニング数
- そのシーズンの試合数=そのシーズンの規定投球回数
- 規定投球回数達成のためには、シーズン通してローテーションを守りながら毎試合6イニング投げる必要がある
- 投手の分業制や先発完投型投手のメジャー流出により、規定投球回数達成者は減少傾向
要するに、規定投球回数は最優秀防御率のための指標です。
防御率についての詳細は以下の記事でも解説しています。
ぜひ合わせてご覧いただき、知識を深めてくださいね。