プロ野球シーズン終盤になると話題にのぼるのが、規定投球回数です。
最優秀賞防御率獲得のために到達が必要なイニング数です。
近年、投手の分業が進む中、規定投球回数の達成者は減少を続けています。
当記事では、規定投球回数について解説した上で、その達成の難しさや近年の達成状況をご紹介します。
筆者のプロフィール
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
規定投球回数とは
規定投球回数は最優秀賞防御率を獲得するための条件に設定されています。
近年はその年の試合数が規定投球回数として設定されます。
2019年は143試合なので規定投球回数は143イニング
2020年は120試合なので規定投球回数は120イニング
20イニング無失点、防御率ゼロ、であっても最優秀賞防御率は獲得出来ないのです。
最優秀賞防御率のような「率」の数字はその母数が小さいと極端な数値が出てしまうので、これは当然の措置ですね。
先発としてシーズンを戦い抜いた投手の中から選定しようという意図が感じられます。
規定投球回数を達成するのは難しい
2020年シーズンでは、規定投球回数を達成した投手はセ・リーグが6人、パ・リーグが8人といずれも1桁となりました。
それだけ達成するのが難しいと言えます。
達成するためにはどれだけ投げる必要がある?
そもそも、規定投球回数を達成するためにはどのくらいのペースで投げる必要があるのでしょうか。
現在のプロ野球では、先発投手6人のローテーションで回すのが一般的です。
つまり、各投手は6試合に1回(週に1回)登板する計算になります。
安定してローテーションを守る投手は、単純計算で24試合(143試合÷6)ほど登板することになります。
24試合で規定投球回数を越えるためには、1試合あたり6イニング(143回÷24試合)をシーズン通じて投げ続ける必要があります。
短いイニングでKOされたり、二軍落ち、怪我などが続くと規定投球回数の達成は極めて困難と言えるでしょう。
ちなみに1イニング投げるリリーフ投手であれば全試合投げる必要があります。
リリーフ投手で規定投球回数達成は不可能と言えますね。
近年の達成人数は?
規定投球回数達成者は減少傾向です。
先発完投よりも勝利の方程式を重視する傾向が強くなったことや、そもそも先発完投型の大エース(ダルビッシュ有、田中将大、前田健太、菊池雄星etc・・)がメジャー挑戦で日本プロ野球を出てしまうことが原因と言えるでしょう。
近年の規定投球回数の達成人数は下表のとおりです。
年度 | セ・リーグ | パ・リーグ |
2009 | 17 | 17 |
2010 | 12 | 16 |
2011 | 16 | 17 |
2012 | 20 | 13 |
2013 | 17 | 12 |
2014 | 15 | 13 |
2015 | 14 | 12 |
2016 | 12 | 14 |
2017 | 12 | 13 |
2018 | 8 | 9 |
2019 | 9 | 6 |
2020 | 6 | 8 |
規定投球回数まとめ
・最優秀賞防御率獲得のために到達が必要なイニング数
・そのシーズンの試合数=そのシーズンの規定投球回数
・規定投球回数達成のためには、シーズン通してローテーションを守りながら毎試合6イニング投げる必要がある
・投手の分業制や先発完投型投手のメジャー流出により、規定投球回数達成者は減少傾向
近年、減少傾向のプロ野球中継。
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