近年、野球界で注目を集めているセイバーメトリクス。
野球に統計学を持ち込み、データを使って選手評価や戦略立てを行う手法です。
最近は聞きなれない野球指標を目にすることも増えたのではないでしょうか。
当記事では、打者指標P/PA(Pitch per Plate Appearances)について解説します。
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
P/PAとは?
P/PAとは、Pitch per Plate Appearancesを意味しており、日本語訳すると「1打席あたりの被投球数」となります。
要するに、1打席で何球の球数を投げさせるか、という指標です。
まだあまり広くは知られていない指標ですね。
P/PAが高い選手はどんな打者?
P/PAが高い選手はいわゆる「粘り打ち」で、相手ピッチャーにとってはいやらしい打者、ということになります。
ただ、必ずしもP/PAが高いほど良い選手というわけではありません。
初球に強く、積極的に振っていく選手はP/PAは低くなる傾向にありますが、初球から打っていく選手の貢献度が低いわけではありませんよね。
基本的にP/PAは選手の能力の高低ではなく、打者の特性や打順適正を見るうえで有効な指標です。
P/PAが高い打者を先頭打者や下位打線に置いておくと、投手の体力消費は大きくなるため、P/PAが高い選手は1番や9番の適性があると考えることが出来ます。
ただし、4番を打てるレベルの強打者は投手から警戒されることも多いため、自然と球数が多くなります。(ソフトバンク柳田や近藤等)
そのため、P/PAが高い選手=1番打者、と決めつけることは出来ません。
P/PAはあくまでも参考指標で、万能な数字ではないのです。
他の指標と組み合わせながら、選手の特徴や打順を考えるのが良いでしょう。
P/PAの計算方法
P/PAの計算方法はシンプルです。
P/PA = 全被投球数 ÷ 打席数
誰でも簡単に計算できるレベルの計算式ですね。
ミスター粘り打ち・日ハム中島のP/PAは?
粘り打ちといえば、日ハムの中島を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
中島は2015年、2016年に最多ファウルを打っているほど、「粘り打ち」が代名詞になりうる選手です。
この2015年、2016年の中島のP/PAが2015年が4.32、2016年が4.53となっています。
中島ファウル数
2015年:599球、2016年:759球
基本的にP/PAは4を超えると高い水準と考えられています。
P/PAまとめ
ここまでの内容を箇条書きでまとめます。
- P/PAとは1打席で何球の球数を投げさせるか、という指標
- P/PAが高い選手は1番打者の適性あり。
- クリーンアップの強打者もP/PAが高くなる傾向がある
- 「粘り打ち」中島のP/PAは4点台
- P/PAは4を超えると高い水準