当記事では、プロ野球で記録される「セーブ」について解説します。
クローザー(抑え、守護神)に記録されることが多いですが、その条件を正確に説明できる方は野球ファンにも多くはないのではないでしょうか。
当記事をご覧いただき、セーブに関する知識を深めていただければ幸いです。
筆者のプロフィール
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
セーブとは?
試合終了までリードを守ったリリーフ投手に記録され、主にクローザー(抑え、守護神)の評価指標として活用される。
なお、プロ野球では、最も多くのセーブを記録した投手には、最多セーブ投手のタイトルが与えられます。
セーブが記録される条件
ここからは、セーブが記録される条件を整理します。
セーブが記録される条件は、以下の2つに分類できます。
- 4つの必須条件
- 必須条件を達成したうえで必要な条件
セーブが記録されるためには、まずは4つの必須条件を全て満たす必要があります。
そのうえで、さらに追加条件を満たしてはじめてセーブが記録されるのです。
4つの必須条件(すべて必須)
セーブが記録される4つの必須条件は以下のとおりです。
- 勝利投手ではない
- 最後の投手として登板する
- 1/3イニング以上の投球回を記録する
- リードを守り切り、試合を終了させる
要するに、最後の投手として試合を締めくくり、チームを勝利に導く必要があるのです。
一度同点や逆転を許すと、セーブの権利は消滅するので注意が必要です。
ただし、この必須条件だけでセーブが記録されるわけではありません。
必須条件を達成したうえで必要な条件を以下では確認していきます。
必須条件を達成したうえで必要な条件(どれか1つ)
必須条件を達成したうえで、以下の条件を1つでも達成するとセーブが記録されます。
- 登板時のリードが3点以内、かつ1イニング以上を投げる
- 続く打者2人にホームランを打たれたら同点、または逆転される状況
- 3イニング以上の投球回を記録する
これらの条件は、どれか1つに当てはまるとセーブが記録されます。
セーブが記録される具体例
実際にどのような場面でセーブが記録されるのか、具体例を踏まえて確認しましょう。
以下の4つのケースで整理します。
- 3点リードの9回裏に登板するケース
- 5点リードの9回裏2アウト満塁に登板するケース
- 4点リードの8回裏2アウト2,3塁に登板するケース
- 10点リードの7回裏に登板するケース
※いずれも、登板した投手がリードを守り切り試合を締めくくったとします。
3点リードの9回裏に登板するケース
これはプロ野球でも頻繁に見られるケースですね。
ご存じのとおりセーブが記録されます。
その考え方は、「登板時のリードが3点以内、かつ1イニング以上を投げる」の条件を達成しているためです。
裏を返せば4点差以上の大量リードでは9回に登板してもセーブは記録されません。
そのため、大量リードではクローザーが登板しないケースも多いですね。
5点リードの9回裏2アウト満塁に登板するケース
このケースでも、セーブが記録されます。
このケースで満塁ホームランを打たれると一気に1点差、続く打者にもホームランを打たれると同点に追いつかれてしまいます。
これはセーブが記録される条件「続く打者2人にホームランを打たれたら同点、または逆転される状況」を満たしています。
そのため、この大ピンチを凌いだ投手にはセーブが記録されるのです。
4点リードの8回裏2アウト2,3塁に登板するケース
必ずしも、登板は9回である必要はありません。
4点差なので、「登板時のリードが3点以内、かつ1イニング以上を投げる」には該当しませんよね。
ただし、「続く打者2人にホームランを打たれたら同点、または逆転される状況」を満たしていますので、このケースもセーブは記録されるのです。
10点リードの7回裏に登板するケース
プロ野球でもあまり見ることのないパターンですが、このケースでもセーブが記録されます。
「3イニング以上の投球回を記録する」という条件を満たしていますので、セーブが記録されます。
この場合、点差は関係が無いこともポイントです。
セーブが記録される条件 まとめ
セーブが記録される条件を整理してみましょう。
- 以下の4つの条件を満たしている
⇒勝利投手ではない
最後の投手として登板する
1/3イニング以上の投球回を記録する
リードを守り切り、試合を終了させる - かつ、以下のいずれかの条件を満たしている
⇒登板時のリードが3点以内、かつ1イニング以上を投げる
続く打者2人にホームランを打たれたら同点、または逆転される状況
3イニング以上の投球回を記録する
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