当記事では、大学野球の仕組みを徹底解説します。
ドラフト会議では即戦力として数多くの大学生が指名されますが、大学野球を観戦したことがある方は意外と少ないのではないでしょうか。
高校野球に比べるとテレビ中継も少ないため、見たことが無い人もいるかもしれませんね。
当記事をご覧いただき、大学野球のことをよく知って頂ければ嬉しいです。
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
大学野球の仕組み
大学野球は一般的に「全日本大学野球連盟(公式サイト)」のことを指します。
まずは大学野球の仕組みを簡単に解説します。
全国26の大学野球連盟で構成
「大学野球」と一言に言っても、その中身には様々なリーグが所属しています。
現在大学野球は以下のとおり、26の大学野球連盟で構成されています。
さらに各リーグの中には2部~4部の下部組織体制を取っているリーグがほとんどです。(東京六大学等、一部は入れ替えを行わない固定制を取っています)
地区 | 連盟名 | 加盟校数 | 1部固定制 |
北海道 | 北海道学生野球連盟 | 11 | |
札幌学生野球連盟 | 18 | ||
東北 | 北東北大学野球連盟 | 16 | |
仙台六大学野球連盟 | 6 | ○ | |
南東北大学野球連盟 | 6 | ||
関東・甲信越 | 千葉県大学野球連盟 | 18 | |
関甲新学生野球連盟 | 20 | ||
東京新大学野球連盟 | 23 | ||
東京六大学野球連盟 | 6 | ○ | |
東都大学野球連盟 | 22 | ||
首都大学野球連盟 | 16 | ||
神奈川大学野球連盟 | 12 | ||
北陸・東海 | 愛知大学野球連盟 | 26 | |
東海地区大学野球連盟 | 20 | ||
北陸大学野球連盟 | 12 | ||
関西 | 関西学生野球連盟 | 6 | ○ |
関西六大学野球連盟 | 6 | ○ | |
阪神大学野球連盟 | 18 | ||
近畿学生野球連盟 | 18 | ||
京滋大学野球連盟 | 12 | ||
中国・四国 | 広島六大学野球連盟 | 6 | ○ |
中国地区大学野球連盟 | 20 | ||
四国地区大学野球連盟 | 13 | ||
九州 | 九州六大学野球連盟 | 6 | ○ |
福岡六大学野球連盟 | 6 | ○ | |
九州地区大学野球連盟 | 31 |
全国で約380の大学が大学野球連盟に所属しています。
春季・秋季の2部構成で土日中心
プロ野球といえば春~秋までほぼ毎日試合が開催されます。
一方で大学野球は春と秋の2部構成となっています。
大学生の本分は学問…ということなのでしょう、大学野球は基本的に土日中心に試合が組まれます。
スケジュールは記事の後半で詳細に解説します。
大学野球の順位・優勝の決め方
大学野球は各リーグで順位を決定し、各リーグの代表が全国大会へ進みます。
リーグの順位・優勝を決めるためのポイントは以下のとおりです。
- 勝ち点方式のリーグ戦
- 下部リーグとの入れ替え制
それぞれ順番に解説します。
勝ち点方式のリーグ戦が主流
リーグ戦のルールは各リーグの運営に委ねられています。
ここでは人気の高い東京六大学など、多くのリーグで採用されている勝ち点方式について紹介します。
- 各チームの総当たり戦を行う
- どちらかのチームが「2勝」するまで試合を組む
- 2勝したチームには勝ち点1が付与される
- 勝ち点に応じて順位を決定する
- 勝ち点が並んだ場合、勝率の高いチームが順位が上になる(勝率の計算に引分の試合数を含めない)
- 原則土日に試合を開催し、2勝が決まらない場合月曜日以降も開催する
下部リーグとの入れ替え制
所属校が多いリーグでは、2部~4部の下部リーグが存在します。
※東京新大学野球連盟と東都大学野球連盟が4部制となっており、最多の構成です。
下部リーグが存在するリーグについては、順位決定後に入れ替え戦が開催されるのが一般的です。
各大学は少しでも上のリーグ、そして全国大会を目指して切磋琢磨するのです。
なお、「六大学」と名のつくリーグ中心ですが、以下のリーグは1部のみの固定制となっており、入れ替え戦はありません。
- 仙台六大学野球連盟
- 東京六大学野球連盟
- 関西学生野球連盟
- 関西六大学野球連盟
- 広島六大学野球連盟
- 九州六大学野球連盟
- 福岡六大学野球連盟
大学野球のスケジュール
大学野球の基本的なスケジュールは以下のとおりです。
- 4月~5月:春季リーグ戦
- 6月:全日本大学野球選手権大会(春の全国大会)
- 7月:日米大学野球選手権大会(世界大会)
- 9月~10月:秋季リーグ戦
- 10月:地区大会
- 11月:明治神宮野球大会(秋の全国大会)
全国大会は各リーグ(地区)の代表によるトーナメントです。
それぞれの流れについて簡単に解説します。
春季リーグ~全日本大学野球選手権大会
春季リーグは各地で4月~5月を中心に開催されます。
この春季リーグを勝ち抜いた各優勝校が、毎年6月に開催される全日本大学野球選手権大会に進むことができるのです。
- 初開催は1952年で、秋の明治神宮野球大会(1970年~)より歴史は古い
- 出場校は各リーグ優勝校の27校
※九州地区大学野球連盟は北部と南部で分かれるため、それぞれから出場 - 毎年6月に明治神宮野球場と東京ドームで開催
- トーナメント方式
- 大学野球におけるインカレと呼ばれる
なお、6月下旬~7月には大学日本代表として出場する日米大学野球選手権大会(世界大会)が開催されます。
この選抜メンバーは、全日本大学野球選手権大会の出場者を中心に選出されます。
秋季リーグ~明治神宮野球大会
秋季リーグは9月~10月に各地で開催されます。
春季リーグと異なるのは、秋季リーグは優勝するだけで全国大会に進めるわけではありません。
リーグ戦優勝校(+一部上位校)はさらに、地区大会を突破することで明治神宮野球大会に進むことができます。
- 初開催は1970年
- 高校野球と同時開催される
- 出場校は地区大会を勝ち抜いた大学等11校※
- 毎年11月に明治神宮野球場で開催
- トーナメント方式
※明治神宮野球大会の出場資格を持つ11校は以下のとおりです。(東京六大学と東都大学野球は地区大会を経ずに出場します)
- 北海道(北海道学生、札幌学生)代表1校
- 東北(北東北大学、南東北大学、仙台六大学)代表1校
- 関東(関甲新学生、千葉県大学、東京新大学、神奈川大学、首都大学)代表2校
- 東京六大学野球連盟代表1校
- 東都大学野球連盟代表1校
- 北陸・東海(北陸大学、東海地区大学、愛知大学)代表1校
- 関西(関西学生、関西六大学、京滋大学、近畿学生、阪神大学)代表2校
- 中国・四国(広島六大学、中国地区大学、四国地区大学)代表1校
- 九州(九州六大学、福岡六大学、九州地区大学)代表1校
最後までお読みいただきありがとうございました。