野球の基礎知識

【プロ野球育成契約】支配下契約選手との違い・年俸・契約金について解説

 

育成選手の〇〇が支配下契約!ってニュースを見たけど、そもそも育成契約って何?

近年ではソフトバンクの千賀を筆頭に、育成出身の選手の活躍も目覚ましいですが、そもそも野球観戦初心者の方にとっては、育成契約/支配下契約の違いも良くわかりませんよね。

当記事では、このような育成契約について分かりやすく解説します。

 

筆者のプロフィール

野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。

 

育成契約とは?

育成契約を理解するためには、まずはその対義語とも言える支配下契約を理解しましょう。

プロ野球には、「支配下登録枠」と呼ばれる一軍出場可能な選手の人数が設定されています

この支配下登録枠は70名であり、この70名の中の1人として契約するのが支配下契約です。

支配下契約を勝ち取ると、一軍出場の権利を得ることができます。

 

この支配下登録枠には入れないものの、球団から実力を買われて契約をするのが育成契約です。

即戦力とは呼べないまでも、ポテンシャルは高い選手を球団がじっくりと育成し、一軍で通用するレベルになったら支配下契約して一軍登録する、というわけです。

それでは、あらためて育成契約と支配下登録の違いを整理してみましょう。

 

育成契約選手と支配下登録選手の違い

育成契約選手と支配下登録選手の違いは大きく分けると3点です。

・一軍の公式戦には出場出来ない
・背番号は3桁
・一定期間経過で自由契約となる

一軍の公式戦には出場出来ない

育成契約選手は一軍の公式戦に出場が出来ません。

育成契約選手は二軍、三軍で実力を磨き、支配下契約を目指します。

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背番号は3桁

育成契約選手は支配下契約選手との見分けがつくように、3桁の背番号を背負います。

100番台や003など、ゼロを使用した番号が選ばれることが多いです。

 

一定期間経過で自由契約となる

育成契約選手は育成契約が一定期間続くと、自由契約扱いとなります。

自由契約となるまでの期間は支配下選手登録されたことがあるか無いかで決まります。

〈支配下選手登録されたことが無い選手〉
育成契約期間は最大で3年です。
当初の契約から3年経過した際、次年度の支配下契約が締結されない場合は自由契約となります。

〈支配下選手登録されたことがある選手〉
育成契約期間は1年です。
育成契約を締結した次年度に支配下契約が締結されない場合は自由契約となります。

 

自由契約となった後、再度同じ球団と育成契約を結ぶことも可能です。

また、他球団から支配下契約のオファーがあれば、支配下契約選手として移籍することも可能です。

一定期間経過で自由契約と聞くと、可哀想に思う方もいるかもしれません。

ただ、これは年俸の低い育成契約で選手を長年飼い殺しにすることを防ぐ、選手のための制度と考えられます。

 

育成契約の年俸・契約金

プロ野球選手とはいえ、育成契約選手の年俸は低いです。

最低年俸は240万円とされており、育成契約選手の年俸は240万円~400万円程度と言われています。

一軍スター選手では億越えの選手も多数誕生する中、大きなギャップがありますね。

また、育成契約には契約金もありません。

ドラフト1位指名を受けた支配下契約選手は1億円を超える契約金を受け取ることもありますが、育成契約では約300万円の支度金が支払われるだけとなっています。

この待遇の違いを力に変えて、スター選手に這い上がって行くことが求められるのです。

 

育成契約までの流れ

育成契約を結ぶまでには、一般的に2つのルートが存在します。

育成ドラフト

アマチュアから育成契約選手としてプロ野球入りするには、育成ドラフトで指名を受ける必要があります。

例年、通常のドラフト会議の後に開催されます。

 

自由契約

支配下契約経験のある選手は自由契約を経て支配下契約選手となります。

近年では、怪我で手術をした選手や、戦力外ボーダーラインの選手が一旦自由契約となり、育成選手として再契約されるケースも多いです。

 

育成契約出身のスター選手

厳しい環境での成長が求められる育成契約選手ですが、見事に大スターへと這い上がった選手たちをご紹介します。

以下、育成出身のタイトルホルダーです。

 

山口鉄也(巨人)

元祖、育成出身のスター選手です。

2005年に育成ドラフト1位で巨人に入団すると、2007年に支配下契約を勝ち取り、2008年には新人王に輝きます。

中継ぎとして活躍を見せました。

<主な獲得タイトル>
・新人王(2008年)
・最優秀中継ぎ投手(2009年、2012年、2013年)

 

松本哲也(巨人)

山口鉄也に続き、2年連続育成出身の新人王となったのが松本です。

2006年に育成3位で巨人に入団しています。

瞬足外野手として活躍しました。

<主な獲得タイトル>
・新人王(2009年)
・ゴールデングラブ賞(2009年)

 

岡田幸文(ロッテ)

2008年に育成6位でロッテに入団した岡田は、守備と走塁でロッテを支えました。

2011年にはパ・リーグ新記録となるシーズン外野手連続守備機会無失策(359)を達成しています。

<主な獲得タイトル>
・ゴールデングラブ賞(2011年、2012年)

 

甲斐拓也(ソフトバンク)

甲斐キャノンで全国区の知名度となった甲斐も、育成出身です。

2010年、ソフトバンクの育成ドラフト6位で入団しています。

日本代表捕手として、スター選手に上り詰めています。

<主な獲得タイトル>
・ベストナイン(2017年)
・ゴールデングラブ賞(2017年、2018年、2019年)
・日本シリーズMVP(2018年)

 

千賀滉大(ソフトバンク)

日本のエースと呼んでも過言ではない千賀も育成出身です。

甲斐と同じく、2010年の育成ドラフト4位でソフトバンクに入団しています。

着実に力をつけ、日本を代表する投手へと成長。甲斐とともに育成出身バッテリーで大活躍を見せています。

<主な獲得タイトル>
・最多奪三振(2019年)
・最高勝率(2017年)
・ベストナイン(2019年)
・ゴールデングラブ賞(2019年)

 

誰もが知っているスター選手にも育成出身の選手が存在するのですね。

その他、育成選手から支配下契約を勝ち取り、活躍した選手の名前を列挙します。

 

<育成出身の有名選手>
・バルディリス(阪神・オリックス)
・周東右京(ソフトバンク)
・西野勇士(ロッテ)
・バティスタ(広島)
・内村賢介(楽天・DeNA) 等

育成出身で活躍する選手の特徴として、一芸に秀でた選手が多いことが分かるのではないでしょうか。

瞬足や強肩、球の速さなど、即戦力ではなくても将来化ける可能性がある選手を中心に指名しているのですね。

育成契約まとめ

ここまでの内容を箇条書きでまとめます。

・育成契約は一軍の試合に出られない
・育成契約には上限期限が設定されている
・育成選手は低年俸
・育成から這い上がった選手は多数
・育成で活躍選手には一芸に秀でた選手が多い

 

 

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