プロ野球では、「自力優勝が消滅しました」と報道されることがあります。
「優勝が消滅」と聞くと何とも縁起の悪いワードですが、そのチームはもう優勝は出来ないのでしょうか?
当記事では、プロ野球における「自力優勝」について具体例も含めて分かりやすく解説します。
筆者のプロフィール
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
プロ野球の「自力優勝」の言葉の意味
自力優勝とは、他チームの試合結果にかかわらず、そのチームが優勝出来る状態のことを指します。
言葉通り、「自力で優勝できる状態」です!
残り試合が少ない場合や、上位チームとゲーム差が大きく開いた場合に自力優勝の可能性が消滅することがあります。
なお、1チーム以外の自力優勝の可能性が消えたとき、その1チームには優勝マジックナンバーが点灯します。
マジックナンバーはシーズン終盤に耳にする単語ですよね。
以下の記事で詳細に解説していますので、こちらもぜひ合わせてご覧ください。
自力優勝の具体例
言葉の定義だけではイマイチ分かりづらいと思いますので、具体例で解説します。
ここでは、2018年楽天のケースで解説してみます。
自力優勝が消滅するケース
2018年の楽天は絶不調で、5月6日(31試合目)にて自力優勝が消滅しました。
この時の楽天と、首位西武の成績が以下のとおりです。
<2018年5月6日終了時点>
楽天 | 7勝23敗1分(残り試合112) |
西武 | 23勝7敗0分(残り試合113) |
この状況で、楽天が残り試合を全勝できたとします。
西武が楽天に全敗し、他球団には全勝したとします。
この場合、両チームの成績は以下のとおりです。
楽天 | 119勝23敗1分(勝率8割3分8厘) |
西武 | 120勝23敗0分(勝率8割3分9厘) |
仮に楽天が西武戦を含めて全勝しても、西武が他球団に勝てば楽天は優勝できないのです。
楽天が優勝できるかどうかは西武の成績次第なので、自力優勝が消滅します。
自力優勝が復活するケース
自力優勝は実は簡単に復活します。
さきほどの楽天のケースも、5月6日に消滅した自力優勝が5月8日は復活しています。
5月8日の試合に楽天が勝利し、西武が負けたためです。
<2018年5月6日終了時点>
楽天 | 8勝23敗1分(残り試合111) |
西武 | 23勝8敗0分(残り試合112) |
この状況で、楽天が残り試合を全勝できたとします。
西武が楽天に全敗し、他球団には全勝したとします。
この場合、両チームの成績は以下のとおりです。
楽天 | 119勝23敗1分(勝率8割3分8厘) |
西武 | 119勝24敗0分(勝率8割3分2厘) |
楽天が残り試合を全勝すれば、再度西武を上回ることが出来るようになりました。
自力優勝は他球団の勝敗しだいで、復活することもあるのです。
「自力優勝の消滅」は気にしなくて良い?
自力優勝は消滅したり復活する概念です。
そのため、「自力優勝なんて気にしなくて良い」という意見を持った野球ファンも多いです。
目立つ単語なので、スポーツ紙なんかは盛んに使いますけどね・・
特にシーズン終盤、残り試合が少なくなると、自力優勝の消滅やマジックの点灯は頻繁に発生します。
実際に自力優勝が消滅したチームが優勝するケースも多いです。
2021年のオリックスがまさにそうですね
2021年のオリックスは、自力優勝が消滅した状態でシーズン最終戦を終えました。
マジック点灯チームのロッテの成績次第でオリックスの優勝が決まるという状況でしたが、結局ロッテが楽天に敗れたことで、オリックスの優勝が決まっています。
「他力優勝」なんて揶揄する意見がないわけではありません。
ただ、優勝はあくまでも優勝です。残り試合数の兼ね合いで最後がたまたま他力になっただけで、1年間の成績の結果であることに変わりはありません。
「自力」「他力」を気にする方がナンセンスでしょう。
優勝を意識してプロ野球を見るのであれば、自力優勝やマジックよりも「ゲーム差」がおすすめです。
プロ野球の順位の決め方と合わせて、以下の記事を参考にしていただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。