野球には様々な数字が登場します。
打率、出塁率、打点、防御率、勝率 etc・・
とはいえ、野球に詳しくない方にとってはそれぞれの数字の意味、計算方法もサッパリ分かりませんよね。
当サイトでは、野球観戦初心者に向けて、野球に関する数字を簡単に解説します。
当記事のテーマは投手の勝率です。
計算方法や最高勝率のタイトル獲得条件について解説します。
筆者のプロフィール
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
勝率とは?勝利の計算方法
勝率とは、言葉のとおり「勝つ確率」です。
勝率には「チームの勝つ確率」「投手が勝利投手になる確率」と複数の概念がありますが、ここでは「投手が勝利投手になる確率」の勝率を解説します。
なお、「チームの勝つ確率」についてはこちらの記事で解説しています。
〈勝率(投手)の計算方法〉
「勝利数」÷「勝率数 + 敗戦数」
投手の勝率を計算する上で気をつける点は、計算の分母が登板数ではない、ということです。
10試合登板して5勝0敗の投手がいたとします。
「勝利投手になる確率」と考えると、50%(5 ÷ 10)と計算しがちですが、この投手の場合勝率は100%となります。
登板したうちの勝利投手の割合ではなく、あくまでも敗戦数との比較の指標なのですね。
プロ野球で投手が勝率を伸ばすためには、「負けないこと」が重要になります。
最高勝率のタイトル獲得条件
勝率は日本プロ野球機構(NPB)で公式に記録されており、各リーグで最も勝率の高い投手は最高勝率のタイトルを受賞します。
ただし、最高勝率を獲得するためには13勝以上をあげることが条件になります。
厳しい条件に感じますが、この条件が存在しなかったと仮定して具体例を見てみましょう。
投手A 3勝0敗 勝率1.00
投手B 19勝1敗 勝率 0.95
この2投手の場合、明らかに優秀なのは投手Bであるにもかかわらず、13勝の条件がなければ最高勝率のタイトルは投手Aのものとなってしまうのです。
13勝という数字はさておき、やはり最高勝率獲得のなめに条件がつけられるのはやむなしと言えますね。
なお、最高勝率のタイトル獲得の条件に規定投球回数の達成は含まれません。
ただ、13勝をあげて最高勝率を獲得するレベルの投手となると、基本的に規定投球回数は達成していますね。
シーズン勝率歴代ランキング
過去、シーズン勝率で1.00の無敗記録を達成した投手が4人います。
勝率が1.00を上回ることはあり得ませんので、これらは決して破られることのない記録となります。
中でも、20勝以上をあげての勝率1.00は2013年の楽天・田中の24勝0敗のみであり、この記録がいかに驚異的かが分かるでしょう。
順位 | 投手名 | 当時所属 | 勝率 | 年度 | 勝利 | 敗北 |
1 | 景浦 将 | タイガース | 1.00 | 1936秋 | 6 | 0 |
1 | 御園生 崇男 | タイガース | 1.00 | 1937秋 | 11 | 0 |
1 | 間柴 茂有 | 日本ハム | 1.00 | 1981 | 15 | 0 |
1 | 田中 将大 | 楽 天 | 1.00 | 2013 | 24 | 0 |
5 | 斉藤 和巳 | ソフトバンク | 0.94 | 2005 | 16 | 1 |
5 | 成瀬 善久 | ロッテ | 0.94 | 2007 | 16 | 1 |
7 | 御園生 崇男 | タイガース | 0.91 | 1938春 | 10 | 1 |
8 | スタルヒン | 巨 人 | 0.91 | 1938秋 | 19 | 2 |
8 | 杉浦 忠 | 南 海 | 0.91 | 1959 | 38 | 4 |
10 | 堀内 恒夫 | 巨 人 | 0.89 | 1966 | 16 | 2 |
勝率まとめ
ここまでの内容を箇条書きでまとめます。
・勝率は登板数ではなく、「勝利数+敗戦数」で計算する
・最高勝率のタイトル獲得条件は13勝
・シーズン勝率1.00を達成した投手は4人
近年はセイバーメトリクスと呼ばれる野球に統計学が用いられるようになり、さらに複雑な数字も誕生しました。
以下の記事で解説していますので合わせてご覧ください。