いざ野球観戦に行くとなると、気になるのがその日の先発投手。
スタメン野手はある程度固定されていますが、先発投手は日替わりです。
せっかく観戦に行くのであれば、好きな投手が投げる日に観に行きたいですよね。
当記事では、先発投手を予想するための重要な概念「先発ローテーション」について解説します。
野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。
【用語解説】先発ローテーションとは?
先発ローテーションとは、ある程度固定される先発投手の投げる順番のことです。
プロ野球ではほぼ毎日のように試合が行われますので、複数の投手が一定の間隔で登板することになります。
投球は肩や肘に負担がかかるため、できるだけ体をケアしながら登板するのです。
一定の間隔なら、選手も調整がしやすいですしね
この先発ローテーションの組み立て方は、国やチームによっても異なります。
まずは日本の一般的な先発ローテーションを紹介しましょう。
日本の一般的な先発ローテーション
日本プロ野球における先発ローテーションは、主に以下のような特徴があります。
- 6名で曜日固定が理想のローテーション
- カード頭(火曜・金曜)はエース級投手
6名で曜日固定が理想のローテーション
日本のプロ野球は、基本的に火曜日~日曜日までは試合が組まれます。
週に6試合を戦うことになりますので、6人の投手を揃えるのが理想と考えられています。
先発投手は週に1回登板するわけですね
6名の先発投手でローテーションを組む場合、1週間おきの間隔となりますので、必然的に曜日固定となります。
ただ現実的には以下のような課題もありますので、球団は試行錯誤しながらローテーションを組むことになります。
- そもそも先発して試合を作れる投手を6人揃えるのが難しい
- 月曜日に試合が入って7連戦や8連戦以上になるケースもある
- 移動日等で試合が無い日もあり、必ずしも週6試合ではない
こうした試行錯誤もあり、先発ローテーションは常に見直されていくものなのです。
カード頭(火曜・金曜)はエース級投手
プロ野球の試合は基本的に同じ対戦カードが3連戦で組まれます。
カードの最初の試合はエース級の投手が起用されることが多いです。
最初の試合を勝って、いい流れを作る戦略ですね
1年の最初の試合に登板する「開幕投手」は基本的にチームNO1の投手が務めます。
これと同じ考え方ですね。
なお、あえてエース級投手をカードの頭から外す戦略も存在します。
エース対決をあえて避けて、カードの後ろで勝ちを確実に拾っていく戦略です。
こういった点に注目しながら先発ローテーションを観察してみると、さらにプロ野球を楽しめますよ。
メジャーリーグの先発ローテーション
メジャーリーグでは、5人の投手が中4日でローテーションを回ることが一般的です。
日本プロ野球よりも登板間隔が短いわけですが、その分1試合あたりの球数は100球前後に抑えられます。
時には中3日もあったりしますね
日本からメジャーリーグに渡る投手も増えてきていますが、この先発ローテーションの文化の違いにうまく適応できるかはポイントです。
先発ローテーションの歴史
日本プロ野球で中6日の先発ローテーションが主流となってきたのは、1990年代以降のことです。
1950年代頃までは選手の能力差も大きく、能力の高い投手に特に負担が偏っていました。
エース級の投手が、ほぼ毎日投げるというのは珍しくない光景でした。
先発投手の主なシーズン記録を並べてみると、過去の異常さが分かります
記録 | 歴代1位の内容 | 達成者 |
---|---|---|
完投 | 47完投 | 別所(南海)・1947年 |
勝利 | 42勝 | スタルヒン(巨人)・1939年 稲尾(西鉄)・1961年 |
投球回 | 541.1回 | 林(朝日)・1942年 |
2023年に3年連続投手4冠を達成したオリックス・山本由伸の2023年の記録が「23登板・2完投・16勝・164回」です。
この令和の大エースと比較しても、いかに戦後の投手達に負担がかかっていたかがわかりますね。
覚えておきたい関連用語
先発ローテーションを理解するうえでポイントとなる用語もおさえておきましょう。
ローテーションの谷間
7試合以上の連戦となった場合、通常のローテーション投手では回らないケースが出てきます。
これを「ローテーションの谷間」と呼びます。
ローテーションの谷間では本来リリーフの投手が先発したり、2軍から選手を昇格させるなどして対応します。
ブルペンデー/オープナー
ローテーションの谷間を埋める策として、ブルペンデーやオープナーが採用されるケースもあります。
本来は先発投手ではないリリーフの投手を先発起用し、そのままリリーフの投手だけで試合終了まで繋ぐ戦法です。(オープナーの場合、途中から先発投手が出てくるケースもあります)
試合開始の主導権を握ったり、先発投手を休ませるために用いられる戦術です。
中○日での登板
当記事でも何度か登場しましたが、「中○日」とは登板の間隔日数を指しています。
毎週日曜日に投げる投手は、間は6日間なので「中6日のローテーション」と呼ばれます。
日本では中6日が一般的です。
チーム事情によって中4日や中5日で回るケースも珍しくはありません。
また、選手の事情によっては中10日のサイクルが組まれる場合もあります。
- 斉藤和巳・・故障を考慮し、登板する都度登録抹消を繰り返す中10日登板
- 佐々木朗希・・体が出来上がる前は中10日で様子を見ながら登板
- 山下舜平太・・同上
未発表の先発投手を予想する方法
試合を見に行く時に、誰が先発するのかはやはり気になりますよね。
当記事を読んでいただければ既に分かっていただけていると思いますが、先発投手を予想する際の手順は以下のとおりです。
- 2週間程度の先発ローテーションを把握する
- 各投手が中何日で回っているのか把握する
- 登板したあと、登録抹消されている投手がいないか把握する
2週間分をチェックすれば、直近のローテーションは把握できます。
登板間隔にそって当てはめていけば、お目当ての試合の投手も予想できるでしょう。(登録抹消されている選手は10日間は再登録できないので注意!)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。