プロ野球基礎知識

【野球基礎】ルール解説・タイムプレイとは?3アウト直前のホームインに要注意!

普段何気なく見ているプレーでも、野球には細かいルールが規定されています。

ランナーがホームインした場合、得点が認められる場合と認められない場合があることをご存じでしょうか。

これはタイムプレイと呼ばれるルールに基づくものですが、当記事でタイムプレイついて詳しく解説します。

 

筆者のプロフィール

野球観戦歴20年超の野球オタクで、元球場職員の経歴を持ちます。
愛読書は公認野球規則で、野球のルール解説も得意としています。

 

タイムプレイのルールを解説

野球のルール、公認野球規則にはタイムプレイという単語は登場せず、あくまでもタイムプレイは通称としての呼び名です。

タイムプレイは公認野球規則5.08で「得点の記録」として規定されています。

まずは公認野球規則の記載を見てみましょう。

3人アウトになってそのイニングが終了する前に、走者が正規に一塁、二塁、三塁、本塁に進み、かつこれに触れた場合には、その都度、1点が記録される。

【例外】第3アウトが次のような場合には、そのアウトにいたるプレイ中に、走者(1、2にあたる場合は全走者、3にあたる場合は後位の走者)が本塁に進んでも、得点は記録されない。

(1) 打者走者が一塁に触れる前にアウトにされたとき。
(2) 走者がフォースアウトされたとき。
(3) 前位の走者が塁に触れ損ねてアウトにされたとき。

公認野球規則5.08より

 

まずは冒頭の記載、こちらが大原則となります。
これは要するに、3アウトが取られる前にホームインしていれば、得点として認めますよ、ということです。

 

タイムプレイの例外ケース

これに対して、3つの例外規定が定められています。

実際のプレーでは、この例外ケースに当てはまることの方が多いため、多くの方がこちらを野球の大原則であると思っているのではないでしょうか。

3アウトよりも前にホームインしていても、得点が認められないケースは以下の通りです。

例外ケース

第3アウトが、
①打者走者が一塁に触れる前にアウトにされたとき。
②走者がフォースアウトされたとき。
③前位の走者が塁に触れ損ねてアウトにされたとき。

 

①打者走者が一塁に触れる前にアウトにされたとき。

バッターが内野ゴロでタッチアウトやフォースアウトになったような場合が、これに該当します。

2アウト3塁での内野ゴロの間に、3塁走者がホームインしても得点にはなりません。
これは多くの方の感覚と一致しているのではないでしょうか。

なお、1塁を踏み忘れたことでアウトになった場合も、このケースに該当します。

②走者がフォースアウトされたとき。

バッターランナーではなく、塁上にいた走者がフォースアウトとなった場合も、ホームインは認められません。

2アウト1塁3塁での内野ゴロで、1塁走者が2塁でフォースアウトとなるようなケースですね。

こちらも良くあるプレーですが、3塁走者がホームインしても得点とはなりません。

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③前位の走者が塁に触れ損ねてアウトにされたとき。

こちらの規定は、ここまでご説明した2つの例外規定とは少しタイプが異なります。

前の走者がベースを踏み忘れていた場合は、踏み忘れの時点でアウトになるため、それが3アウト目であれば後ろの走者は当然、ホームインは出来ませんよ、という規定です。

なお、ベースの踏み忘れはアピールプレイが必要ですので、アピールが無ければアウトにはならない点にも注意が必要です。

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タイムプレイは3アウトとホームインの競争

以上の例外規定を除くと、3アウト目までにホームインしたランナーは得点が認められるという訳です。

つまり、3アウト目とホームインのどちらが早いか、が判定のポイントとなります。

タイムプレイはアウトとホームインの競争となるため、審判は両方のプレーのタイミングを見ておく必要があるのですね。

 

具体例を踏まえて解説

ここまでの内容で、ルールについてはご理解いただけたと思います。

それでは、具体的な事例を見ながらさらに理解を深めていきます。

 

2アウト2塁、打者がヒットを打った場合

1塁走者がホームイン、打者走者が2塁でタッチアウトになり、3アウトとなった。

→3アウト目は例外規定には該当しませんので、タイムプレイとなります
ホームインが打者走者のタッチアウトより早ければ、得点は認められます。

1アウト1塁3塁、打者が一塁ゴロを打った場合

一塁手はゴロの捕球後、すぐに1塁を踏んで打者走者をフォースアウト(2アウト)。
すかさず、1塁走者をアウトにするため、2塁に送球し、2塁で1塁走者がタッチアウト(3アウト)。
この間、3塁走者はホームインしていた。

→3アウト目は例外規定には該当しませんので、タイムプレイとなります
ホームインが打者走者のタッチアウトより早ければ、得点は認められます。

※打者走者が先にアウトになった時点で、1塁走者は進塁義務から解放されるため、フォースアウトとはなりません。

1アウト1塁3塁、打者が外野フライを打った場合

外野フライにより、1塁走者は2塁付近へオーバーラン、3塁走者はタッチアップ。
外野手は1塁送球で帰塁する1塁走者をアウト。
この間、3塁ランナーはホームインしていた。

→3アウト目は例外規定には該当しませんので、タイムプレイとなります
ホームインが打者走者のタッチアウトより早ければ、得点は認められます。

※帰塁でのアウトはフォースアウトと誤解されがちですが、厳密にはアピールアウトであるため、ここでの3アウト目は例外規定に該当しません。

 

新井貴浩(当時:阪神)のタッチアップ事件

実際にプロ野球で発生した、タイムプレイにまつわる珍プレーをご紹介します。

2010年5月24日 阪神VSロッテ戦、甲子園でその事件は起こります。

試合は4対4の同点、9回裏1アウト満塁です。

打者城島が見事に犠牲フライを放ち、3塁走者のマートンがタッチアップでホームに生還します。

見事なサヨナラ勝ちと思われたその時、3塁でアウトコールが宣告されたのです。

この時、犠牲フライの際に走る必要の無い新井もなぜかタッチアップ。
さらに3塁でタッチアウトを受けていたのです。

この場合、新井の3アウトとマートンのホームインがタイムプレイとなります。

幸い、マートンの生還の方が早く、サヨナラ勝ちとなりましたが、もしもアウトの方が早ければサヨナラ勝ちを帳消しとする大惨事となっていました。

新井は城島らからこっぴどく叱られ、その後も事あるごとにこの珍プレーでいじられています。